No.23 仮面の情緒 ページ24
ガチャ、バタンッ
「それで？私に何の用ですか？」
住宅街から外れ、小さな公園の前に止められた車に乗り込んだAは運転席に乗り込んだベルモットに微笑みながら聞いた。
「………話の前に、まずその仮面を外してくれる？気味悪いわ。」
「あら、貴女お得意の演技でしょう？何か問題でも？」
「……………」
「はいはい分かりましたよ。大女優様の前での演技は緊張しますし。…………で？何の用ですか。」
ふっと、Aの表情から笑みが消えた。
「……………」
「御用がないなら降りますよ？」
「……貴女っていつもそうよね。貼り付けた仮面か、無表情か、そのどちらかしか見せない。」
「それがなんですか。貴女にとって不都合でも？」
「……だから気味悪いと言っているのよ。」
「で、御用件は？」
「……別に、用件という用件ではないわ。ほんとに貴女が若返ったのか、気になっただけよ。」
苦い表情のまま話すベルモットに、Aはため息まじりに言った。
「ほんとにそれだけなんですか。仕事の話かと思ったんですけどね。」
「……あぁ、そういえば仕事の話もあったわ。まあ貴女にはもう無理な話だけど。」
「？ どういう事ですか。」
ベルモットの言葉にAがスッと目を細めると、ベルモットは一転して、少し愉快そうに告げた。
「貴女の“相棒”との仕事よ。」
「………」
そのたった一言を聞いて、Aは無表情ながら、その目の色を暗くさせた。
「貴女ってほんと、相棒が絡むと人間らしくなるわね。貴女の欠点…」
「それはボスからの命令ですか。」
「……いいえ、ジンからの命令よ。ただの暗殺だけど…」
「でしたら私一人で片付けます。“彼”にも伝えておいて下さい。……しばらく単独行動をするという事も。」
「あら……バラさないのね？」
「……“薬”の事をバラせば、保護対象であるあの少年達の事がバレてしまうかもしれないでしょう。」
「……シルバーブレッド、ね…」
「私は貴女を良き仕事仲間として認識していますからね。たとえ殺そうとされても。」
「……利害関係が一致している間だけでしょう？」
「勿論。」
最後にクスッと笑ってAは車を降りた。すると車も走り出し、Aはそれを見送る事もなく反対方向に向かって歩きだした。
「(やはり彼女は、あの少年達が大切なんですねぇ……)」
「(死んではくれなかったけれど……これはこれで、使えそうね……)」
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文月鎖夜(プロフ) - ちょこちょこですが小説進めてます！ (2016年4月24日 14時) (
レス) id: 3c35e627c1 (このIDを非表示/違反報告)
文月鎖夜(プロフ) - 神さん» ありがとうございます(*^▽^*)頑張らせて頂きます！！ (2016年4月10日 21時) (レス) id: 3c35e627c1 (このIDを非表示/違反報告)
神 - 面白いです！！更新頑張ってください！ (2016年4月10日 21時) (レス) id: 36229bb8d8 (このIDを非表示/違反報告)
文月鎖夜(プロフ) - かりんとうさん» ありがとうございます*^^*これからも世良はちょくちょく出そうと思ってるので^^* (2015年11月27日 0時) (レス) id: 8b8cd9f128 (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう(プロフ) - 乙です〜！世良ちゃんはやっぱり可愛いですね(( 主人公も可愛い*^^* (2015年11月26日 23時) (レス) id: 87f8bb60e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：文月鎖夜 | 作成日時：2015年7月8日 16時
