たとえ君が望まなくても ページ40
｢……時間が無いから手短に話すと、君が変な能力を使ったせいで時空が歪んで、僕の世界と一瞬繋がった。流石に君らが帰ることは出来ないけれど、僕がAに会いに行って、ちょっと話して帰るくらいの時間はある。｣
『なんで、そんな事を知ってるの？』
ぴくとに話した覚えは無い。ましては見られた覚えもない。ぴくとは一般人じゃないか。神でもなんでもない。なのに何故？
｢家にいたら穴が現れて、何となくどこに繋がってるか分かっただけ。はい、勿体無いからこの話終わり。……久しぶり。｣
『あ、うん。久しぶり。』
未だにこれは、私の見ている幻覚ではないだろうかと疑いたい。
でも否めない。本物なのだから。その仕草も、笑い方も全部、ぴくとなんだから。
｢君は突然ラノベ的な展開が起きても動じないだね、まぁ分かってたけど。｣
『そりゃ、昔から誰かさんに表情筋が硬いって言われてるだけあるんだわ。ぴくとの方こそ変わんないじゃん。急に出てきた穴に入る度胸とかさ。』
｢誰かさんの危なっかしい行動で肝が座ったんだよ。｣
互いに若干の皮肉を混ぜつつ、笑い合う。胸を燻られるこの気持ちは、久しく感じていなかった。
『私、こっちでそこそこ頑張ってるんやで？』
｢へぇ。生徒会の仕事も頑張って欲しかったところなんだけど。｣
『いやいや、それはそれ。』
｢相変わらず自分の興味のある事ばっかやって……あれ、そうなるとA、友達増えてる？｣
『はぁ？』
我ながら情けない声だったと思う。友達？誰が？
｢いやほら、十何人か君の隣にいるよね。友達じゃないん？｣
『……全然。』
アイツらはパーティーのメンバーで、それでもって……
｢良かった。すぐAって無理するから、隣で面倒見てくれる人が居て。……あ、時間だ。｣
『まだ色々聞きたい事とか沢山あるのに。第一、私の事どんな風に思ってんだよ。』
弱々しげに私は告げる。なんで声を弱めたかなんて知らない。
｢……うーん、なんだろうね。親友だよ、親友。で、そうそう。君に伝えたい事があるんだった。｣
彼は私の方へ近づいて。笑顔を僅かに崩す。
｢たとえ君が望まなくても、僕は君を支えるよ。こっちの世界でも頑張ってね。｣
そんな臭いセリフを吐くとは、熱でもあるのではないかと疑いたい。
『ぴくとの支えなんて爪楊枝みたいなもんやろ。まぁ、ありがとう。』
その私の姿を見て、彼は再び笑い、光の粒子となって消えていった。彼が消えるところを最後まで見届けるまでもなく、私は彼らの元へと向かう。
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Luma - ぺ神よ、それを先に言えw (2021年2月20日 17時) (
レス) id: b17ded2eab (このIDを非表示/違反報告)
ライアー - niさんすげぇ、、、 (2021年1月10日 9時) (レス) id: 21a1021849 (このIDを非表示/違反報告)
あしゅ(プロフ) - しおりんさん» コメントありがとうございます。更新程々に頑張りますね！ (2020年12月18日 19時) (レス) id: 8eec1eca06 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - これは…この過去はpktさんでは！？だったら美味しいです！更新頑張ってください！ (2020年12月18日 1時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
あしゅ(プロフ) - ライアーさん» コメントありがとうございます。もう少ししてからですが更新頑張りますね！ (2020年11月22日 12時) (レス) id: 8eec1eca06 (このIDを非表示/違反報告)
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