温泉だと言われたのに ページ24
『うっわ。本格的な温泉やなぁ……』
ミカンを飲み込み、正面の建物を眺める。初めの感想は、とても大きい。やな。いや、本当に大きい。ビックリするくらいには凝ってる。
gr｢マジな温泉だな……｣
壁に掛けられていた、温泉の湯質の板を、まじまじと読みながら呟いていた。こう言うの、よく分からないけれど、グルッペン曰く凄いらしい。
zm｢じゃあ、少し浸かってこか？｣
kn｢Aだけは別やな！じゃあ、また後で！｣
一応異世界でも、男女間での恥じらいというものは持っているらしく、男湯と女湯が分かれていた。分かれていなかったらかなりショックだったのだが、まぁそれはどうやら杞憂だったらしい。
『さーて。入りますかぁ……』
服を脱ぎ、タオルを持って温泉への扉を開ける。
そこに広がっていたのは、地獄絵図だった。
人が倒れていた。人が泣いていた。温泉はマグマのようにふつふつと、粘度のある液体として、徐々に此方に向かってくる。
『……これは？てか、熱い！？でも、ここで見殺し……？』
そう、うだうだしている間にも、マグマの様な湯は、段々此方へと向かって来ており、その間に、何人もの人が溶けて、犠牲になる。
『不味い！』
急いでこの場にいた生存者に転移を発動させ、私も扉を開け、ロッカールームへと戻る。
『なんなの？どうして？これは、温泉よな？』
頭の中では整理がつかない。
一度服を着て、生存者の人の様子も見つつ、今起こった状況を、もう一度思い出す。
『うっ………』
思い出せば出すほど、嫌気や吐き気を催してくる。目の前で人が焼けて、溶けて。
助けなれなくて。
『……でも、失った命を悔やむ事より、今は、こっちを……優先しないと………』
まず、温泉の中が異様に暑かった。あのまま一分も居れば、即座に倒れる事は間違いない。
次に、温泉の粘度と、様子がおかしかった。色は普通だと言え、あれは間違いなくマグマ………
『……え？』
一瞬、思考が停止した。
視界に、件の温泉の湯が見える。ふつふつ、ふつふつと、煮えたぎりながら向かってくる。
こちらに。
『嘘やろ……？これ、無限に湧く？』
言われてみればそう。温泉は源流から取っているらしいのだから、無限に湧く。何らかの原因で変異していても、元は温泉なのだから……
『とにかく、アイツらに報告しねぇと！』
変換の力で、生存者達に服を着せ、遠い所に転移させる。
そして、男湯へ駆け出した。
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Luma - ぺ神よ、それを先に言えw (2021年2月20日 17時) (
レス) id: b17ded2eab (このIDを非表示/違反報告)
ライアー - niさんすげぇ、、、 (2021年1月10日 9時) (レス) id: 21a1021849 (このIDを非表示/違反報告)
あしゅ(プロフ) - しおりんさん» コメントありがとうございます。更新程々に頑張りますね！ (2020年12月18日 19時) (レス) id: 8eec1eca06 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - これは…この過去はpktさんでは！？だったら美味しいです！更新頑張ってください！ (2020年12月18日 1時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
あしゅ(プロフ) - ライアーさん» コメントありがとうございます。もう少ししてからですが更新頑張りますね！ (2020年11月22日 12時) (レス) id: 8eec1eca06 (このIDを非表示/違反報告)
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