時の流れは早いもの ページ19
『シャーオロン。』
トントン、と肩を叩けばビックリしたらしく、奇妙な声を上げた。
sho｢…Aか。ビックリした。｣
『なぁなぁコレやらん？』
そう言って差し出すのは、さっき出したコレ。
sho｢線香花火やん。｣
そう、夏の風物詩。線香花火である。
エーミールとショッピにお願いして作って貰った。
『勝負しよ。』
sho｢ええで。｣
束になった花火を、火薬が取れないように、丁寧に抜き出す。
グラデーションになった紙を持ち、協力してもらって作った使い捨てのライター…のような魔道具で、蝋燭に火を付ける。
『よーいどん。』
その一声で、沈黙が訪れた。
それから少しして。
sho｢Aっていつの間に、鞄持ってたん？｣
『気づかなかったん？山越える前位からやけど？』
これは普通に買った。安かったし、らだおくん人形とかずっと持っている訳にも行かなかったんで。
まだ、花は咲いている。
急に、シャオロンは真剣な声で呟いた。
sho｢Aはさ…怖くないんか？｣
『は？』
sho｢いや。もう帰れないし、死ぬかもしれへん。それでもなんでそんな、無茶して……｣
刹那。
『あ。』
私の花が散った。
『負けたわ。シャオロンが話すから……』
sho｢はぁ！？｣
その声で、みんな起きてしまったのだろう。
gr｢おいおい、俺らをハブるとはいい度胸だな。｣
kn｢深夜、野外で二人きり。当然何も起きない筈もなく…｣
『こら。じゃあお前らもやれば？』
仕方なく、皆にも花火を渡してやる。
sn｢これ凄いね。綺麗。｣
em｢作るの難しかったんですよ。｣
tn｢エミさんが作ったん？凄。｣
ガヤガヤとしだすこの空間。
聞こえないように、シャオロンにだけそっと、呟いてやる。
『……こういう事だよ。』
sho｢…え？｣
『帰れなくても少なくとも、今はコイツらが居るから。…多少の無茶も大丈夫。』
シャオロンの花火が落ちる。
『ふふ。私の勝ち。』
sho｢いや、さっき落ちてたじゃん！引き分け！引き分け！｣
shp｢そこイチャイチャせんといてください。｣
『しばくぞ。』
shp｢さーせん。｣
ちらりとシャオロンの方を見れば、笑い過ぎていたのか、口元を押さえていた。
zm｢Aー！三十秒持ったで！｣
『知らへんわ。手まで燃えそうやからどうにかしてくれ。』
ut｢はいはーい。｣
zm｢ちょ！？消さんといてー！？｣
sho｢お前らってホント……馬鹿だね。｣
そう言ってシャオロンは、優しい表情を浮かべていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 576人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Luma - ぺ神よ、それを先に言えw (2021年2月20日 17時) (
レス) id: b17ded2eab (このIDを非表示/違反報告)
ライアー - niさんすげぇ、、、 (2021年1月10日 9時) (レス) id: 21a1021849 (このIDを非表示/違反報告)
あしゅ(プロフ) - しおりんさん» コメントありがとうございます。更新程々に頑張りますね！ (2020年12月18日 19時) (レス) id: 8eec1eca06 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - これは…この過去はpktさんでは！？だったら美味しいです！更新頑張ってください！ (2020年12月18日 1時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
あしゅ(プロフ) - ライアーさん» コメントありがとうございます。もう少ししてからですが更新頑張りますね！ (2020年11月22日 12時) (レス) id: 8eec1eca06 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
