Limit 47. ページ15
──本当にこの店には“なんでも”と言って良いほどに部品が揃っていた。
彼女が試行錯誤して考えた設計図に、
ぴたりと当てはまる物がこの店には全て並んでいるようだ。
『……おおっ、嬢ちゃん! その歳で機械に興味があるとは感心だねえ!』
『えっ』
Aは納得するように何度か頷いていたが、
不意に傍らから掛けられた声に驚いて肩をびくつかせる。
咄嗟に顔を上げて視線を移すと、そこにはこの店内に見かけた
──恐らく店主なのだろう、男性の姿があった。
『何だ、機械が好きなんじゃないのか?』
『ま、まあ……好きっていうか…………』
思わしくない反応を返してしまったせいか、訝しむように片眉を上げた男性に
Aは慌てて言葉を探しながら受け答えをしようとする。
単に大らかに思える男性は、道行く人々の誰にも警戒心を持たせなかったが
どう答えるべきか困ってしまったAからは、中々次の言葉が出て来ず。
『何にせよ、興味があるなら良いことだ! 良ければこの店で働いてみるかい?』
まあ良いだろう、と言わんばかりに笑って大きく頷いた男性が言うのに
思わぬ誘いだと息を呑んだAが、相手の姿を見上げた。
あまりにもトントンと進む話には、それというだけなら怪しむばかりだが
やはり男性は悪い人物であるようには思えず
実際のところ、中では女性の店員も純粋に楽しそうに働いている。
『…………』
店内と目の前の男性の姿とを見比べていたAが落ち着きを取り戻し、
ようやく口を開いて何かを答えようとした時。
彼らの耳に、聞き慣れない全く別の大声が飛び込んで来た。
『──うっ、うわあ! やっべえ、また壊しちまった!』
……声の高さからして、それは少年のもののようだった。
すぐに口を閉ざして声のした方を見やってみれば、そこにそれらしき者の姿がある。
何かに視線を落として慌てた様子で居る少年は、
周囲の者達から驚いた様子でまじまじとした視線を受けていた。
『あーあ、アイツまたやっちまったのか』
Aに話しかけた男性もまた、呆れたように笑って少年を見つめている。
まるで知っているかのような話し口に、
当然ながら彼女は不思議に思って問いを投げかけた。
『……“また”って?』
再び少年に視線を戻して、よくよく見てみれば周囲の者達も
何人かは“いつもの事か”というように何事も無かったかのように通り過ぎて行く。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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フェイル(プロフ) - ゆーふぉーさん» 聞いてないですよねえ! (白々しい。) 兄だけが、物語の最初で出て来た五人の存在を誰よりも早く知っていたことになりますね。 (2015年9月22日 1時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ヒビキさん» コメントありがとうございます! はい、その通りでございます! 話が半ばに差し掛かったところで、ようやくその正体がわかりましたね! (2015年9月22日 1時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーふぉー(プロフ) - お兄さんなんて聞いてないですよΣ(゚Д゚)思った以上に複雑ですね (2015年9月21日 22時) (レス) id: 7b18582839 (このIDを非表示/違反報告)
ヒビキ(プロフ) - 違っていたら申し訳ないんですけど、タイトルの絵に描かれている左側の男の子はもしかして主人公の兄である凛空ですか? (2015年9月20日 20時) (レス) id: b7ba2d1d16 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ゆーふぉーさん» 書籍は流石に言い過ぎです!!!! 英語ですかー……あれは暗記教科のようなものな上、継続的な勉強になりますからかなりしんどいですよね;; (2015年9月13日 16時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フェイル | 作成日時:2015年8月30日 0時