【呪術廻戦/逆ハー】フェロモンが暴発した件について。2

22:未知の魂形 ページ5

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必死に「逃げろ。」と叫んでいる七海さんの声が遠ざかっていく。

気を失っているわけでも領域内に閉じ込められたわけでもないのにツギハギ呪霊の目に捕らえられてしまって動くことができない。

力量のせいなのか、重苦しい呪いの気配のせいなのかは分からないけどただただツギハギ呪霊を見つめることしかできない。



「君さ……俺に何かした……？」
「……え？」
「殺すか形を変えるかしたいのに頭の中でなんかそれを制御しちゃうんだよね。こんなの初めてでさ〜。あ、もしかしてそういう術式だったりする？」



宿儺の時と似ている。

もしこのツギハギ呪霊が私に触れた瞬間に一気にフェロモンを流し込めば宿儺の時みたいに恋愛感情を抱かせることができるんじゃないかって期待が出てくる。

どっちにしろ改造人間みたいに形を変えられる可能性は高い。

それなら触れさせるように仕向けるのが最善の選択だ。



「魂に触れて確かめてみたら？」
「……この状況でそんな風に煽るんだ。」



七海さんが言ってたのは正解だったみたい。

まだ生まれたばかりの呪霊で好奇心旺盛で煽ればそれに乗ってくる。

罠でしかないような煽りに乗ったツギハギ呪霊が私の肩に手を置いた瞬間、魂の形を変えられる前にありったけの濃いフェロモンを流し込んだ。

フェロモンを流し込んだのと同時に私から飛び退いたツギハギ呪霊は自分の左胸を抑えながら何かを確認するように私を足先から頭まで見て不気味な笑みを浮かべる。



「やっぱり君面白いね。七三術師を殺してから連れて帰ろうかな。」
「連れて帰る……って……どこに……」
「それは秘密。それより、」



「もっと君に触れたらどうなるのかが知りたい。」と、恋をした人間みたいな熱視線を送りながら私の頬に触れたツギハギ呪霊に寒気が走った。

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