38:御迎と帰路 ページ38
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狗巻先輩と話してたおかげでモヤモヤしてた気持ちや心配とかが吹き飛んで、東京に戻った時にはもう気持ちは晴れ切っていた。
「狗巻先輩はこれから続けて任務があるんですよね?」
「しゃけ。」
「頑張ってください。私も呪力戻ってきたのでまた一緒に任務行きましょうね!」
私のその言葉を聞いて少しだけ顔を赤らめた狗巻先輩から頭を撫でられて私の頬も赤く染まっていく。
駅のホームで何やってんだ、とは思ったけど色々起こりすぎたせいで今は妙に狗巻先輩に甘えたくなっちゃって。狗巻先輩が撫でるのをやめて駅を立ち去るまでその場から動けなかった。
とは言っても私も交流戦以降の数日で任務を溜めてたからすぐに帰らないといけなくて、高専に戻るためにタクシー乗り場まで行こうとした時、グッと腕を掴まれた。
いくらフェロモンに充てられてるからっていっても急にこんなことされるのは初めてで、「え、」と声を漏らして振り向くと「よっ、A!」なんて明るい表情を浮かべながら言ってる虎杖くんがいた。
「虎杖くん!」
「や〜、五条先生から頼まれて迎えに来たんだけど俺の方が迷子になりそうでさ、Aのこと見つけ
れて良かった〜!」
「五条先生が?」
「そうそう、A1人だと危ないからって。」
私新幹線に乗る3時間くらい前に予約したし急に帰ることにしたのに何で私が乗る新幹線が分かったんだろう、なんて疑問は湧いてくるけど実家に電話したか狗巻先輩経由で話が伝わったって考えれば普通のことなのかもしれない。
フェロモンが出続けてて一般人から声かけられるかもしれないし。そういう面で見れば誰かに迎えに来てもらうのは理にかなった行動だ。
「わざわざごめんね。タクシー乗り場行こっか。」
「んじゃ、はい。はぐれねぇように。」
「……ッ、うん。」
ぎゅっと手を繋がれて虎杖くんの手の暖かさが伝わってくる。
他の男の子とも手を繋いだことはあるけど虎杖くんの手は他の人よりも筋肉質っていうのかな。男の子らしい手だなぁ、なんてしみじみ思ってると急に掌を何かに舐められる感触がして急いで手を振りほどく。
「え、待って、今の何……」
「は!?あ!お前また変な時に出てきやがって……!」
「呪力の気配がしてな。ほら小娘、近こう寄れ。」
「あぁ……宿儺の口か……。」
大きく鳴る心臓を落ち着けてもう一度虎杖くんの手を握る。
宿儺も私が驚いたからか、掌ではなく手の甲に口を出して喋り始めた。
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ゆう - 続き早くみたい!! (3月19日 14時) (レス) @page39 id: f37b355590 (このIDを非表示/違反報告)
パンピー - 一気に読みました!!すごく面白くて好きです!もう更新はしてもらえないのでしょうか,,,?続き,楽しみにしてます! (2月18日 23時) (レス) id: 2630b906e6 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 面白すぎて、一気読みしました!もう続きはないのでしょうか……? (10月26日 19時) (レス) @page39 id: ba86f2a0b9 (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - めっちゃ面白いです!! これってもう終わりなんですか、、? (2022年7月19日 22時) (レス) @page34 id: d025dfcb18 (このIDを非表示/違反報告)
みか(プロフ) - お父さんまだ娘はやらん的な、親バカだといいな。と脳内お花畑が通ります。すっごく面白いです!一日で全部読んじゃいました!。更新待ってます (2022年1月11日 18時) (レス) @page31 id: 7db18ffeeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Momo_UxxU_
作成日時:2021年3月21日 17時