・ ページ25
・
実家が京都にある私が京都校じゃなくてわざわざ東京校を選んだ理由は不純そのもの。
両親には「向こうには五条先生がいるから。」なんて説明したけど、本当は”実家から離れたい”、それだけだった。
真依さんからすれば何で実家から遠い東京校を選んだんだろうって思うんだろうな。
「何で東京校に入学したのかも不思議なのよね。貴方の家系って代々京都校に入学してたじゃない。」
「慶光院家の跡継ぎだから五条先生の傍に居たほうがいいと思って。」
「今からでもこっちに入らない?」
禪院家の人間から転校を薦められたなんて両親に知られたらすぐに転校手続きを始めるに違いない。
元々親の反対を振り切って東京校に来た訳だし。
どうやって断るべきなのか頭を悩ませていると私達の会話を聞いていた加茂さんが「真依。」と声をかけた。
「Aはどちらの学校にいても呪術師として不足がない。無理な勧誘は嫌われるよ。」
「無理な勧誘なんてしてないわよ!」
「どう見ても困らせていただろう。」
2人の間にバチバチと火花が飛び散っているのが見える。
初日から思ってたけどこの2人って妙に対立してるって言うか……、いや、加茂さんが真依さんの癪に障ること言ってるだけかもしれないけど。
こんな風景を見てると京都校にいても楽しそうな未来は容易に想像できる。
……でもやっぱり私は東京校のみんなと一緒にいたい。
「でも真依の言う通りこちらに来た方が家にとっても君にとってもいいんじゃないかな。私と婚約すれば嫌でも京都に住むことになるし慣れは必要だよ。」
「禪院家の誰かと結婚しても京都に住むことになるし丁度良いんじゃないかしら。」
「急に話ぶっ飛ばさないでくださいよ。」
五条家の下にいるから五条先生から求婚されるのは未だしも加茂家と禪院家なんて私からすればあまり関係ない。
顔合わせ程度だったのにフェロモンの影響で自分の立場が一気に変わった。
有難いような迷惑なような……、そう思って溜息が零れたのとほぼ同時に向こうのベンチにいる野薔薇ちゃんが「A〜!」と私の名前を呼んだ。
「呼ばれてるので失礼しますね。」
「気が向いたらいつでも言ってね。手続きの手伝いくらいならしてあげるわ。」
真依さんに軽く頭を下げてからベンチへ急ぐ。
こんなややこしい状況になるならやっぱり交流会休んだ方が良かったんじゃ……
3553人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆう - 続き早くみたい!! (3月19日 14時) (レス) @page39 id: f37b355590 (このIDを非表示/違反報告)
パンピー - 一気に読みました!!すごく面白くて好きです!もう更新はしてもらえないのでしょうか,,,?続き,楽しみにしてます! (2月18日 23時) (レス) id: 2630b906e6 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 面白すぎて、一気読みしました!もう続きはないのでしょうか……? (10月26日 19時) (レス) @page39 id: ba86f2a0b9 (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - めっちゃ面白いです!! これってもう終わりなんですか、、? (2022年7月19日 22時) (レス) @page34 id: d025dfcb18 (このIDを非表示/違反報告)
みか(プロフ) - お父さんまだ娘はやらん的な、親バカだといいな。と脳内お花畑が通ります。すっごく面白いです!一日で全部読んじゃいました!。更新待ってます (2022年1月11日 18時) (レス) @page31 id: 7db18ffeeb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もも | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Momo_UxxU_
作成日時:2021年3月21日 17時