Twinkle star

恥ずかしがり屋なだけ… ページ7

人前で弾くのには慣れていたはず。

だけど、こんな凄い選手の前で演奏するなんて思ってもいなかったから、並よりは緊張した。

月の光。
一音一音が、目立つ曲。
気をつけないと雑音が混じる。



弾き終わると、コーチが絶賛してくれた。
だけど、羽生選手は口数が少なかった。

…ダメだった…？

…いや、そんなはずは。沢山練習したから、大丈夫。
自分に自信を持って。


もし、私のピアノが気に入らなかったら…。
他の人になってしまうかもしれない。
そんな不安がよぎる中、まさかの羽生選手と帰ることになった。

タクシー代は、、出してくれた。。

普通だったら家の前で降ろしてもらうんだけど、今日は少し手前で降りた。


「ピアノ、凄いんですね。」

「そうですか？もっと凄い人がいますよ。」

駄目だ。なんか、、恥ずかしくて素っ気ない言葉しか返せない。


「何歳から習ってるんですか？」

「二歳からピアノには触ってたかな。」

「どうしてあんな綺麗な音が出せるんですか？」

「綺麗…？私にはそんな事思いません。」

こんなんじゃいけない…。

心の中で羽生選手に何度も謝る。


私は昔から、恥ずかしがり屋で、あがり症だった。

でも、ピアノを弾く時だけは、とても冷静になれる。

周りから、クールだねとか、冷たい性格してるねだとか、、色々言われてきたけれど、ただ……恥ずかしいだけです…。
なんてそれも恥ずかしくて言えない。
それに、あの有名な羽生選手。
無理無理無理無理。



あぁ、もう…上手くやれるかな…。
心配になってきた、、

インスピレーション→←クールな彼女

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