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ページ32

変わりませんね、と言ったこいつも俺が適性を見て勧めた銃剣を今も構えているのだ。
それでも今ここに立っているということは、今の俺はこいつの敵になってしまったということだろう。

「一度だけ言います、先輩。帰ってきてください。外れもののS隊なんかじゃなく、前みたいに一緒に」
岩本「悪いが、それはできない」

遮るように拒絶を突き付ける。
今更前の隊に戻ろうとは思わないし、深澤を1人にする気もない。

「…そう、ですよね。では、仕方ありません」

和解交渉は駄目元でやっていたのだろう。すぐに切り替えて武器を構え直す。
俺も問題なく「呪い」が発動しているのを感じながら武器を構える。

カンカンと武器のぶつかり合う音が辺りに響き渡る。
元々防御を捨てて攻撃に重きを置くスタイルな上、訓練の相手をしていた俺の癖を覚えていたのだろう。
一発目はすぐに受けることになった。

「ぐっ…」

そして、それと同時に目の前で呻き声が漏れた。
鏡合わせのように同じ場所に刻まれた傷を抑えて目を見開く。
やはり話に聞いてはいても実際に経験する衝撃はあるのだろう。
滲む血を見て苦し気に奥歯を噛み締めるも、再び銃剣を俺に向ける。

戦いは苦戦を強いられた。お互いが荒い息をする頃には二人とも傷だらけになっていた。

「そんな、そんな能力、辛いだけじゃないですか…」

遂に片膝を地についたかつての部下は俺を見上げてそう漏らした。

岩本「確かに傷を受けるのは痛い。だが、辛いとは思わない。…もっとつらい思いをしていたやつがいるからな。」

そう今は別の場所で後始末でもしているだろう総監督を思いながら言う。
どうしてその「呪い」を選ぶ、とは仲間にすら言われたことだ。

「どうして…っ、そんな顔ができるんだよ!先輩…!」

ああ、懐かしい。こいつはいつもこうだった。
こいつはどこまでもまともで、そしていつもこの真っ直ぐな目で俺を見るのだ。

本来ならこんな国の軍人には一番向いていない人間なのにと思う。それと同時に、こんなところで『生きられる』ように育てた自分を考えると自嘲的に笑うことしかできない。

*→←Ex:山吹と後輩



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(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございます!とても楽しく読ませていただきました!これからも頑張って下さい! (2月13日 11時) (レス) id: 25ea824704 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんたぬお(;´_ゝ`)(プロフ) - 本当に好きな作品で夜寝る前の日課になっています笑 差し支えなければリクエストの方をさせて頂きたいのですが、緑さんの力が暴走して、兄のことは覚えているのに自分がS隊であること、そしてS隊の皆のことを一時的に忘れてしまう、みたいなお話が見てみたいです…! (2月12日 22時) (レス) id: e589be5cc6 (このIDを非表示/違反報告)
はら(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いています!リクエストさせて頂きたいのですが、康二が弱ってたりピンチな所を助けるようなお話が読みたいです。目黒が特に康二に優しかったり必死だったらとても嬉しいです、、、。宜しくお願い致します。 (2月12日 22時) (レス) id: 4b0a14856e (このIDを非表示/違反報告)
いちごみかん。(プロフ) - はじめまして!リクエスト失礼します!今回の涼太くんの話見てて、流行り病の時のゆり組の話がみたくなりました!笑お願いします!これからもがんばってください! (2月11日 22時) (レス) id: bb0523e0f7 (このIDを非表示/違反報告)
ナツメ(プロフ) - はじめまして!すごくおもしろいです!一気に読んでしまいました!これからも頑張ってください! (2月11日 21時) (レス) id: 8dc454fb00 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:湊都 | 作成日時:2020年2月5日 22時

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