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揃った布陣を掻き回すように、めちゃくちゃな、けれども確かに獲物を仕留める向井の動きに翻弄され、
1歩輪の外へ踊り出れば幕袖から放たれる1発の弾丸に貫かれる。
宮舘(楽しそうだな、あいつ)
「舞台」を行う為の3つの基礎条件。
1つ目に「役者」。役者がいないと舞台は成り立たない。
2つ目に「観客」。どれだけ役者がいい芝居をしても観客がいなければ「見る」事が叶わない。
そして3つ目に「照明」。光がなければ、どれだけいい芝居も、見えない。
即ち。
「舞台に立つ」向井と「
その場にいる敵兵は、向井の「呪い」がなくとも「観客」に成り下がらないと。
いや、「観客」に成り下がるからこそ、今のこの状況が成立しているのだ。
向井「なぁダテ、俺と一緒に踊ってや!Shall we dance?でクルクル回って!」
宮舘「怪我人に随分無茶な事を言うもんだな」
向井「じゃあもし万全になったら一緒に踊ってくれるん?」
宮舘「どうだか。…俺は舞台裏でお前らの支えになってるのが1番好きだけど」
向井「つれへんなぁ」
宮舘「でも、もし1人で立つのが本当に、どうしようもなく寂しくなったら。その時は、踊って上げるよ、My pleasure」
そんなおどけた舞台調子の軽口を叩き合ううちに、敵は殲滅されていた。
さあ、赤色に照らされた舞台上で、優雅なお辞儀を1つ零して!
宮舘は、そんな向井を見ながら拍手をした。
向井「ダテ!ほら肩!」
宮舘「…いい舞台だったな」
向井「ネックレスは外してへんけどね」
そうやって2人で支え合いながら、医務室へと向かった。
α国王城内も、何とかΔの1師団を壊滅させる事に成功し、戦局は比較的α国優勢のまま進んでいる。
されど──
「へぇ、また随分面白そうな事してるんじゃん。「電子」と「舞台」の呪い持ち」
某所。金糸のような長い金髪を揺らめかせ
「次に会うのも、そう遠くはないかもね?」
白衣を纏った、銀色の瞳の青年は
「Au mieux, se noyer dans le rêve des bulles」
異国の言葉を吐き、せせら笑っていた。
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とんこ(プロフ) - こんにちは。とんこです。リクエスト叶えていただきありがとうございました。完結まで作品の展開楽しみにしてます。 (2020年3月1日 16時) (レス) id: e9ff124e03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:湊都 | 作成日時:2020年2月23日 15時