story230 ピアノソナタ『月光』殺人事件62 ページ36
Aside
『そう言えば...何だか立場が逆になってるわね(笑』
「あれ?そう言えば、そうだな(笑」
私が笑いながら立場が逆になっていると言えば、成実さんも思い出したらしくそう言って笑っていた
こうやって私を笑わせてくれるなんて...成実さんは医者をやってるだけあって凄いわね
私なんかとは比べ物にならないほどだ
「それと、命の恩人である君の役に立ちたい。それに...君は何かを抱え込みそうな気がして放っておけないんだ」
しばらく笑っていた時、成実さんが真剣な表情をしながら私の役に立ちたい事と私が何かを抱え込みそうな気がして放っておけないと言ってきた
成実さんの真剣な表情と一歩も引かなさそうな謎の気迫に私は一瞬だけたじろいだ
私の役に立ちたいって...人殺しの他に盗みをしているのよ?
まさかとは思うけど、私と共犯になりたいとか言うんじゃ...と何故かそんな気がした
『...貴方に得はないわよ?私は人殺しの他に盗みだってしてるんだから...』
「盗みって怪盗シグナスの事か?それも理由があって泥棒をしてるんだろ?それでもいいさ...君と共犯になれるのなら...」
私は目を閉じながら人殺しの他に盗みだってしてる事を理由に得はないと言うも成実さんは盗みと聞いて怪盗シグナスの事かと聞かれ、一瞬だけ驚くもそれも理由があって泥棒していると言った後、私と共犯になれるのならそれでもいいとまで言ってきた
盗みと聞いただけで怪盗シグナスの事だと分かるなんて...やっぱり凄いわね
ここに新たな共犯者が誕生してしまうかも知れないけど...それでも私は止める訳にはいかない!
それに...成実さんなら怪盗シグナスの事を話しても大丈夫よね?
私は深呼吸をした後、成実さんに怪盗シグナスになった経緯を全て話した
この事を家族以外で話すのは初めてだわ...
成実さんは私の話を真剣に聞いており、他の人には絶対に言わない気がすると感じた
「そうだったのか...君の祖母は曾祖母が大事にしていた宝物を取り戻す為に...君がやっている行為は犯罪者とは言えないよ...むしろ被害者だ。それもまだ見つかっていないんだろう?」
『話を聞いて幻滅したでしょう?人殺しの他に盗みだって働いてるのだから...』
成実さんは私のやっている事は犯罪者ではなく被害者だと言った後、目当ての宝石はまだ見つかっていないと問いかけられ、私は無言のまま頷きながら話を聞いて幻滅した事や人殺しの他に盗みだって働いていると物静かな声でそう言った後、静かに目を伏せる
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作者名:黒羽明菜 | 作成日時:2018年6月16日 2時