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story229 ピアノソナタ『月光』殺人事件61 ページ35

Aside

「でも君はたくさんの人を助けたんだろ?」

『えぇ。たくさんの人を助けたと同時にたくさんの人を殺したのよ?』

成実さんにたくさんの人を助けたんだろと問いかけら、私は頷きながらたくさんの人を助けたと同時にたくさんの人を殺したと答える
理由はどうあれ人殺しをしてしまった事に変わりはない
私は見た目は綺麗だけど実際は他の人と比べ物にならないほどこの手は血塗れに染まっている
そんな私の手を今でも綺麗だと思っているのかしら...?

「確かに君はたくさんの人を殺したのは事実かも知れない。だが、君がたくさんの人を助けた事も事実に違いないだろ?きっとみんな君に感謝してるよ。絶対に。でも俺、最初は「何で助けたんだ」って怒るかも知れない。だけど君に説得されたら「何で自 殺しようと考えたのだろう...」「どうして俺は生きててよかったと思わなかったのだろう」と考えてたよ。でも今は「あぁ、生きててよかった」って思う。「助けて貰ってよかった」って思ってるよ。君には本当に感謝しているんだ。それに君は人殺しをした自分と大切な友達を見殺しにした事を責めてる。その気持ちを持ち続けている限り、君の手は綺麗なままだ」

『成実さん、そう言ってくれて本当にありがとう』

成実さんは私がたくさんの人を殺したのは事実かも知れないが、たくさんの人を助けた事も事実で間違いない事、たくさんの人を助けた事で私に感謝している事、最初はどうして助けたのかと怒るかも知れないが、私に説得されたらどうして自 殺しようと考えたのか...どうして俺は生きててよかったと思わなかったのか...と考えた事、今は生きててよかったと思っている事、助けて貰ってよかったと思っている事、私に感謝している事、私が人殺しをした自分と彼女を見殺しにした事を責めてる気持ちが持ち続けている限り、私の手は綺麗なままだと言ってきた
人殺しをした私と彼女を見殺しにした事を責めてる気持ちが持ち続けている限り、私の手が綺麗なままだなんて...
まさかこんな事まで言ってくるとは思わなかったわ...
こんな風に優しく言ってくれたのは一番の親友であるあの子以来だ
嬉しくなった私は成実さんにお礼を言った

「何か偉そうな感じになっちゃったかな?」

『ううん。気にしないで』

成実さんはふと思い出したかの様に偉そうな感じになったかと問いかけられ、私は首を横に振りながら気にしていないと答える
あら?そう言えば何だか立場が逆になってる様な気がするわ(苦笑

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作者名:黒羽明菜 | 作成日時:2018年6月16日 2時

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