story205 ピアノソナタ『月光』殺人事件37 ページ11
Aside
赤く光っている物が何なのか気になり、次の写真を見てみると何故か消えていた
あら?黒岩さんの遺体をどかした後では消えてるなんて...
放送室が殺害現場だとするとこの場所はもしかして...
「(ん?何だ?この黒岩さんの首の所で光ってるの...黒岩さんをどかした後では消えてる)」
どうやら...新一君も気づいたみたいね
黒岩さんがいる時は赤く光っているけど、どかした後では消えている事に...
「ボウズ、何か変なものでも写ってたか?」
「Aちゃんも何か気になった事でもあった?」
「萩原刑事、松田刑事。ねぇ、二人はこの写真とこの写真を見てどう思う?」
『二枚の写真を見比べてみて下さい』
私達があまりにも真剣に写真を見ていた所為か萩原さん達に声をかけられ、新一君は子供のフリをしながらこの写真を見てどう思うのかと問いかけ、私は手袋をはめて二枚の写真を萩原さんに渡すと萩原さん達は私から渡された写真を見比べている
この二人は他の刑事と違って鋭いし、ほんの些細な事でも気づけるからね
その後から伊達さんも駆けつけ、一緒に写真を見比べている
「あれ?遺体がある時は赤く光ってるけど、どかした後では消えてる...」
「おい、まさかとは思うが...」
「黒岩さんの検死をしたのって...」
萩原さんが遺体がある時は赤く光っているが、どかした後では消えている事に不審に思っていて、松田さんと伊達さんは口々にそう言いつつあの人の方を疑わしそうに見つめている
そんな風に話していた時、平田さんが目暮警部に喉が渇いたから飲み物を買って来てもいいかと言うと目暮警部はそれくらいなら別に構わないと言っていた
『......!』
私は平田さんの手が怪我している事に気づき、村沢さんを殴ったのは彼だとすぐに分かり、萩原さん達にあの人を監視する様に伝え、平田さんの後を追いかける
恐らくだけど、彼も麻薬の密売に関わっているのは間違いないわね...
だから私達や他の人達にあのグランドピアノを【呪いのピアノ】と言って近づかせない様にしてたのも頷ける
『新一君、あの人の左手首の包帯を見た?(ボソッ』
「はい。左手首の包帯から見て村沢さんを襲ったのはあの人ですね(ボソッ」
平田さんは私達がついて来ている事に気づく事なく近くにある自動販売機に小銭を入れ、自分の飲みたい飲み物を買っていた
さてと...平田さんにカマをかけて反応を見てみましょ
無反応だったら村沢さんを襲っただけとして動揺したら...もう分かるわよね?
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作者名:黒羽明菜 | 作成日時:2018年6月16日 2時