story174 ピアノソナタ『月光』殺人事件6 ページ29
Aside
「だって、今夜そこで前の村長・【亀山 勇】さんの三回忌の法事をやるんですから」
『前の村長で三回忌...ですか』
亀山 勇......この人も確か、麻薬の密売の疑惑があったんだけど亡くなってたのね...
【あの子】は黒岩さんや川島さんだけではなく亀山さんも捕まえたがっていたけど、肝心の麻 薬が何処に隠してあるのかまだ分からないから捕まえられないのが悔しいと言っていたほどだ
こうなったら...私が代わりにあの人達が麻薬の売買をしていた証拠を掴んで警察に突き出してやろうと決意した
私達はその後、成実さんに教えて貰った通りに公民館へと到着した
そこで会ったメガネをかけた男性に事情を話すとここで待つ様にと言われ、私達は現村長である黒岩さんが来るのを待つ
「ったく...いつまで待たせる気だ」
「法事の準備で忙しいんじゃない?」
小五郎さんがイライラしながらそう言うと蘭ちゃんは亀山さんの法事の準備で忙しいのではないかと言っていた
後ろをチラッと見ると目の前にドアがあった為、興味を持った私はそこへ足を進めると新一君も私の後ろについて来る
「ね?コナン君にAさん...あ、コナン君にAさん?」
蘭ちゃんに返事を返す前に私はゆっくりと扉を開けると中にはグランドピアノが一台置いてあった
こんな所にグランドピアノがあるなんて珍しいわね...
「ピアノ...あ、ちょっとコナン君にAさん!」
新一君と共にピアノの方へと駆け寄れば蘭ちゃんも後ろからついて来ると小五郎さんも私達の後を追いかけてきた
「どうした蘭...お?でけぇ部屋だなあ。ピアノのコンサートでもやるのか?ん?裏はすぐ海か...」
小五郎さんは部屋の中を見つつピアノを見た後に窓の外を見ながらそう言った
窓をチラッと見ると夕焼けと海が見えている
夕焼けの所為か海がキラキラと輝いていてとても綺麗だった
「でもこのピアノ...ずいぶん古そうだけど弾けるのかしら?」
『キチンと調律をしていれば古くても弾けるわよ』
「そうなんですか...」
私の家にも純白のグランドピアノが置いてあり、定期的に掃除や調律をしている為、音も綺麗に出る
蘭ちゃんは気になったのかグランドピアノの鍵盤蓋を開けようとした時...
「駄目です!そのピアノに触っちゃ駄目です!」
突然、大声で触るなと言われた蘭ちゃんは驚いて声のする方へ向いた
私達も声のする方へ振り向くとそこにいたのはさっき私達に待つ様にと言っていたあのメガネをかけた男性だった
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作者名:黒羽明菜 | 作成日時:2018年5月23日 20時