story184 ピアノソナタ『月光』殺人事件16 ページ39
Aside
「もしかしてこの譜面の4段目は...川島さんのダイイングメッセージ...とすると、犯人がこれを取り戻しに来る可能性が...」
小五郎さんが譜面台に置いた譜面を手に取って見ながら犯人が取り戻しに来る可能性があると言った時、ドアの開く音が聞こえた為、私達は音のする方へと振り向くと...
「「「成実先生!?」」」
『成実さん...』
「あの...旅館に電話したらこちらだと聞いて、お夜食持って来たんですけど」
「そ、そう言えば...」
「腹が...」
そこにいたのは成実さんで私達が泊まっている旅館に電話して聞いたらしく何とわざわざ私達の為に夜食を持って来てくれたみたいだ
あっ、そう言えば...まだ何も食べてなかったわね(苦笑
お腹が鳴り始めた後、私達は成実さんが持って来た夜食を食べる事になった
成実先生って料理が上手いのね...
こんな美味しい物を食べたのはお母さんや【あの子】の料理を食べた時以来だわ...
「へぇ〜成実先生ってこの島の人じゃないんですね」
「ええ。毎週、週末には東京に戻っちゃうの。アルバイトの医者みたいなもんね。私、ずっと憧れてたんです。こんな自然に囲まれた小さな島で仕事したいなぁって...で、通い始めてもう2年よ」
成実さんの話を聞くと彼女は月影島の村民ではないらしく毎週の週末には東京に戻るらしく本人曰く「アルバイトの医者」みたいなものだと言う
なるほど...確かに毎週の週末に戻るとなるとアルバイトみたいなものよね
「2年と言えば...2年前、亡くなった亀山村長ですが...」
「はい。以前から心臓がお悪かった様で死因は心臓発作でした。でも顔がかなり引きつっていて、まるで何か恐ろしい物を見た様な...」
「恐ろしい物を見た様な顔ですか...」
2年も通っていると聞いた小五郎さんが亡くなった亀山さんの事について問いかけると、成実さんによれば以前なら心臓が悪かったらしく死因は心臓発作だが顔はかなりひきつっていたらしく、まるで何か恐ろしい物を見た様な感じだったと言う
何か恐ろしい物を見た様な顔...きっとあの人が麻生さんの身内だと言う事を話したのだろう...
亀山さんはそれを恐れてあの人に何かを話した後、心臓発作で亡くなったと考えた方がいいわね...
「まあ、とにかく!俺は朝まで寝ずの番をするからお前等はさっさと寝ろ!Aちゃんもだ」
「「は〜い」」
『分かりました』
腕時計を見てみると時刻は午後10時58分でもうすぐ11時になるのだと分かった
食べ終わったら、すぐに寝ましょ
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作者名:黒羽明菜 | 作成日時:2018年5月23日 20時