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「仕事終わった…色々終わった…お家に帰る……」
「暗晦さん、今日は本当にお疲れ様…。今度、ご飯奢るわ……」
「ありがとうございます……」
たった1日。仕事の量はいつもの変わらない。
だと言うのにこんなに疲れたのは絶対にあのヤクザと巡査部長のせいである。元は私が悪いけど。
いや、気に入られたことは私悪くない。あのヤクザがおかしいのだ。見た目は普通、胸も普通、どこを切り取っても平凡な私を気に入るとか頭をうったのでは??
そんなことを考えながら外へ出て、俯きながら歩こうとしたとき。
「おい」 と、聞き覚えのある声で呼び止められた。
ゆっくりと、恐る恐る振り返れば奴が…碧棺左馬刻が煙草を吸いながら立っていた。お化けよりもずっと怖い。見たことないけど。
彼は私と視線を合わせると、煙草を道に捨てて足で火をもみ消した。そして、にやり、と不敵な笑みを浮かべながら近づいてくる。
「な、何も無いのでは」
「気分が変わった」
あんまりである。
今日はお家に帰ってお酒飲んで、数少ない友人たちに、信じてもらえるかは別として、電話で愚痴ろうとしていたのに。
気分が変わったからと連れ出されるのは酷すぎるのでは。
「今日は、ちょっと、」
「いいから乗れや」
拒否権…ないの…。そうですか…。
目に涙を溜めながら、彼が指さした黒い高そうな車の後ろへと恐る恐る乗り込む。
運転席と助手席には、先ほど扉の前で碧棺左馬刻を待っていた男2人。
運転席側へと座ると、その隣に彼も乗り込んだ。腕や足がつかないように、出来るだけ扉側へと身を寄せる。
碧棺左馬刻が「出せ」とただ一言言うと、車は発進しだした。めっちゃヤクザのお頭って感じ。そうだったか。怖いよう。
発進してから暫く経ったころ、また彼は私のことをガン見していた。だから! 穴があく! って言えたらいいのに。臆病だから無理だけど。
しかも、助手席に座っている男からも見られている気がするし、運転席の男からもミラー越しに見られている気がする。被害妄想だと信じたい。
……本当にこのまま、どこに連れていかれるんだろう。臓器密売とか、ないよね? 死なないから言うことを聞き続けるって契約書書いたのに?
あ、1つくらいなくても死なない的な? …まさか、まさかね??
怖い男3人から見られ続け、不安に苛まれるドライブは、あと20分ほど続いた。
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Alice(プロフ) - 更新再開して欲しいです。頑張ってください。応援してます(*`∀´*) (2020年3月31日 10時) (レス) id: 2fbbeea056 (このIDを非表示/違反報告)
さらんりちぇ(プロフ) - 更新再開されることを期待しています (2019年3月5日 18時) (レス) id: e255b55531 (このIDを非表示/違反報告)
陽雪(プロフ) - おかえりなさい!またかっこいい左馬刻が見れるのが癒しです〜!! (2019年1月27日 21時) (レス) id: 8bf1da7ca5 (このIDを非表示/違反報告)
ニャルラトテップ(プロフ) - 華狐さん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません。お褒めの言葉ありがたや…!こちらこそ、ありがとうございます! (2019年1月27日 16時) (レス) id: 2bb930aa0e (このIDを非表示/違反報告)
ニャルラトテップ(プロフ) - 八花鏡さん» 返信が遅れてまい申し訳ありません。お褒めの言葉ありがとうございます!それだけで私はたくさん頑張れます。いえ、頑張らせていただきます! (2019年1月27日 16時) (レス) id: 2bb930aa0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニャルラトテップ | 作成日時:2018年11月16日 1時