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ふと目が覚めると、時刻は朝の8時だった。
目覚ましはかけていなかったが、カーテンの隙間から漏れる陽の光のせいだろう。眩しく、少し暑い。もっとちゃんと閉めれば良かった。
起き上がり、いつものように身支度を整える。とは言っても何処かに出かける予定もないから着替えはしない。
朝ご飯の支度をし終わり、座布団の上に座った途端、誰かからメッセージが届いた。先輩か友人の誰かだろうかと思いながら開く。
……いや、朝に彼女たちから来るわけがなかった。左馬刻様だ。
『今から俺のとこに来い』っていくら何でも早急すぎじゃない?? あと普通の社会人は仕事だぞ平日だぞ分かってるんか。私は休みだけど。
無視しよう。大丈夫、既読はつけてない。寝てると思わせよう。
ちらちらと携帯を時折みながら、朝ご飯を食べ進めていると、またメッセージが届く。当然、左馬刻様である。
まって、『無視してんじゃねえよ』ってきたんだけど。怖すぎでしょ。なんで分かるの。寝てる間に監視カメラとかつけました?
とりあえず『今忙しいので無理です』と送っておこう。実際朝ご飯食べるのに忙しい。見てるならそういうことにしておいてほしい。
あれから朝ご飯を食べ終わり、片付けを済ませる。その間、連絡は一切来ていない。やったね。
さてこれから何をしようかな、録画しておいたテレビ番組とか見ようかな、と思案しながら座ろうとしたときだった。ドンッと何かが勢いよく蹴り飛ばされる音が響く。
音の発生源は私の。部屋の。玄関の扉。まさか、いや嘘でしょ。
おそるおそるドアスコープで外を覗けば、赤い瞳のヤクザ。いやまずはインターホンを押してよ。なんか、借金取りに追われている人って思われちゃいますやめて。
どうしようかと悩んでいると、手に持っていた携帯電話が鳴り出す。
そりゃあ勿論防音なわけもなく、彼の耳にも届いたようで。
口の端を持ち上げ、再び勢いよく扉を蹴ってきた。ああああ壊れる。壊れたら大家さんになんて説明すればいいんだよ。本当にやめて怖い私が悪かったからやめろ。
「いんのは分かってんだよ。俺様がわざわざ迎えに来てやったんだ、さっさと出てこい」
「い、今着替えるので待ってください……」
逃げ出すことなんて不可能。
外用の服に着替えながら、私は諦めのため息を一つ吐いた。
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Alice(プロフ) - 更新再開して欲しいです。頑張ってください。応援してます(*`∀´*) (2020年3月31日 10時) (レス) id: 2fbbeea056 (このIDを非表示/違反報告)
さらんりちぇ(プロフ) - 更新再開されることを期待しています (2019年3月5日 18時) (レス) id: e255b55531 (このIDを非表示/違反報告)
陽雪(プロフ) - おかえりなさい!またかっこいい左馬刻が見れるのが癒しです〜!! (2019年1月27日 21時) (レス) id: 8bf1da7ca5 (このIDを非表示/違反報告)
ニャルラトテップ(プロフ) - 華狐さん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません。お褒めの言葉ありがたや…!こちらこそ、ありがとうございます! (2019年1月27日 16時) (レス) id: 2bb930aa0e (このIDを非表示/違反報告)
ニャルラトテップ(プロフ) - 八花鏡さん» 返信が遅れてまい申し訳ありません。お褒めの言葉ありがとうございます!それだけで私はたくさん頑張れます。いえ、頑張らせていただきます! (2019年1月27日 16時) (レス) id: 2bb930aa0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニャルラトテップ | 作成日時:2018年11月16日 1時