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｢……ちっ、もうこんな時間か｣
時刻はもう21時。あと2時間後には普段私が眠りに着く時間だ。
そろそろ帰らないと、明日がきつい。
｢あの、か、かえ、帰りたい、です……｣
｢……車で送る、ついてこい｣
勇気を振り絞って意志を伝えると、予想外にも受け入れて貰えたようで。いやでも車で送るって、住処バレる。でも夜中に1人は怖い。仕方ない。
エレベーターの中も、歩いている途中も、そして車の中でも会話は一言もなかった。ただずっと私のことを見つめていた。怖かった。
ちなみに住処が何処かなんて教えてなかったけれど、既に知っているからと道案内は一切していない。巡査部長が教えたんだろう。あの人本当に何者?
無事に私の住処――少し小さな、でも建てられたばかりで綺麗なマンションに着き、車から降りようとすると左馬刻様に腕を掴まれた。
｢なな、なんでしょう、か｣
｢話がある。まだ逃げんなよ｣
｢は、はい……｣
車から降り、そのまま左馬刻様が座っていた方に行けば、車に凭れながら煙草を吸い始めた。
駐車場にあるライトが、彼の吐き出した煙を照らし出す。
その様子を見ていると、ふいに煙を私の顔に目掛けて吹きかけてきた。思わず｢うえっ!?｣と変な声をあげて噎せる。
そんな私の様子をみて、彼は楽しそうに笑った。酷すぎるのでは。
｢やっぱガキだな｣
｢え｣
｢後で意味でも調べとけ。まぁ今のはただの嫌がらせだけどな｣
いや嫌がらせなんかい。というかガキって。私、24歳なんだけど。
それに、煙を顔に吹きかけることになんの意味があるのだろうか。調べよう。
ふと、楽しげに笑っていた左馬刻様は真剣な顔をして私を見つめてきた。
｢…俺に堕ちるまで、キスより上のことはしねえから安心しとけ｣
｢キスはするんですね……｣
｢文句あんのか｣
｢ありませんありがとうございます｣
全力でそう言えば、左馬刻様は満足げに笑い、煙草を道に捨て火を足で踏み消した。
まぁまだ安心か。うん。
｢あ、あの、もう、帰っても｣
｢あぁ｣
ほっとしたのも束の間、彼は私を引き寄せ抱きしめ、おでこにキスをする。そしてすぐにぱっと離した。
呆然としていると、｢またな｣と言って車に乗り込んで、そのまま車は発進して消えていった。
そのまま自分の部屋まで行き、玄関の扉の鍵を施錠しその場に座り込む。顔が熱い。
今まで恋をしたことなかった私にとって、それはあまりにも刺激的すぎたようだ。
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Alice(プロフ) - 更新再開して欲しいです。頑張ってください。応援してます(*`∀´*) (2020年3月31日 10時) (
レス) id: 2fbbeea056 (このIDを非表示/違反報告)
さらんりちぇ(プロフ) - 更新再開されることを期待しています (2019年3月5日 18時) (レス) id: e255b55531 (このIDを非表示/違反報告)
陽雪(プロフ) - おかえりなさい！またかっこいい左馬刻が見れるのが癒しです〜！！ (2019年1月27日 21時) (レス) id: 8bf1da7ca5 (このIDを非表示/違反報告)
ニャルラトテップ(プロフ) - 華狐さん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません。お褒めの言葉ありがたや…！こちらこそ、ありがとうございます！ (2019年1月27日 16時) (レス) id: 2bb930aa0e (このIDを非表示/違反報告)
ニャルラトテップ(プロフ) - 八花鏡さん» 返信が遅れてまい申し訳ありません。お褒めの言葉ありがとうございます！それだけで私はたくさん頑張れます。いえ、頑張らせていただきます！ (2019年1月27日 16時) (レス) id: 2bb930aa0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニャルラトテップ | 作成日時：2018年11月16日 1時
