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なぜかその時は気になってしまったんだ。
薮と2人で久々のOFFに羽を伸ばしていた。
楽しい時間はあっという間で、太陽は既に西に傾き
人通りの少ない道に影を落として並んで歩いてた。
「おなかいっぱいだ〜」
まだ冷たい風の吹く高い空に手を伸ばして
ため息と一緒に楽しかった時間も吐き出す。
「お前今日そんな食ったっけ？」
子供を見るみたいに目を細めて優しい顔した薮が俺を見る。
俺のカバンも当たり前のように薮が持ってくれて、これじゃほんとにお子様か、もしくは彼女だ。
「違うよ、薮と楽しい時間を過ごせて
もう満喫したーって感じ？」
「なんだそれ笑」
鼻で笑うような短い返事だけど、そのほぐれて緩んだ頬を横目で見ればそれが照れ隠しであることくらいすぐ分かる。
2人でのんびり過ごすのは、薮にとっては何でもないただのOFFかもしれないけど、俺にしてみればすごく幸せな時間で、大好きな空間で、
なのに、
それはたまたまだった。
本当に気まぐれだった。
その時だけ。
俺はきっと束の間の幸せに浮かれてた。
いつも見かけるその光景に、俺はどうしてか近づいて…。
「お前はいっつもここで毛繕いしてるんだなぁ。」
道の真ん中にしゃがみこみ、そいつの頭を撫でるとゴロゴロの気持ちよさそうに喉を鳴らした。
赤い首輪に綺麗な鈴を付けて、この道を通る時はいつもここに座っている。
「ちゃんと餌食ってるか？」
ペロペロ俺の指を舐めるから、可愛くてしょうがない。
「おい伊野尾ー。そろそろ行くぞー。」
「はーい今いく＿＿＿！ 」
歩道から声をかけられ立ち上がろうと顔をあげた時だった。
すぐそこの曲がり角、塀の影から急に飛び出してきたバイクは大きな音を轟かせながらこちらに向かってきていた。
突然のことに脳がついて行かず、足はコンクリートに固められたのかと錯覚する。
既に腕の中にいた猫は姿を消していた。
「伊野尾っ！！」
鈍い音が頭の奥深くまで響いた。
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ふぉん。(プロフ) - 美樹さん» 気づいていませんでした！教えていただきありがとうございます。今後気をつけます！ (2018年3月8日 1時) (
レス) id: 3c8233bff3 (このIDを非表示/違反報告)
美樹(プロフ) - 実在する人物が登場しますので、オリジナルフラグを外して頂けませんか？このままでは違反報告の対象ですよ。 (2018年3月8日 1時) (レス) id: e536c968fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふぉん。 | 作成日時：2018年3月8日 0時
