第三十四話「奇跡は奇跡を呼ぶに値する行いである」 ページ36
さっきから血を吐きまくりながら爆笑しているAに、せっかく出そうだった涙も引っ込んだ五条。
そこに駆けつけた皆がやって来る。
「やっぱり私は死ぬよ？ほら、身体が光だした。まあアレだよ奇跡が起きてる状態だからさ、まだ」
「そうだね。獄門疆を6つ持ってお手玉しながら吐血してる奴がいてたまるかって思うもん」
「だろ。私も胸に風穴空いてる奴が目の前にいたらボールで殴りかかるよ」
ドッキリと疑うレベルで、胸に風穴が空いているのにも関わらずピンピンしているAは、側から見れば不審者なのだが、
「俺たちって幻覚見てたりした？」
「ん？？盛大過ぎたドッキリ....？」
などと、やっぱり疑われていた。
自業自得なのだが、もはやAが可哀想になってきた。
それに気づかないAはニコニコしながらやって来るが、そこに振るいつもの手はもう存在してなかった。
「A、手が....」
「あ？そりゃなくなるだろうよ、ここまで運命を変える為には私1人の命なんざ、軽いもんだからな。あと....そうだな5分ぐらいで消えんじゃね？」
「ていうか、Aが傑と約束してただなんて聞いてないんだけど」
「しょうがねぇだろ。基本死者との約束を公言すんのは御法度なんだからよ」
なくなってない違う手の方で頭をポリポリと掻くAと、ずっこける周り。そして1人があることに気づいた。
「待ってください。じゃあ交流会の時に言っていた呪詛師の仲間になるくだりは....」
「んまあ、目的は羂索の排除だったし....仲間になったとしても結果はこうだったぞ？」
「心配しなくてよかったんかーい」
「そうだよー、私は私の身体を勝手に使ってるクソキショいアイツを殺してって頼んだんだからさッ！」
「は？傑！？」
「やあ！皆、本物の夏油傑だよ」
そう、本当は全く敵になる心配なんてしなくて良かったし、なんなら味方勢力になる可能性しか持ち合わせていなかったのだ。
あっけらかんと言い放つAに説明不足すぎて肩を落としていると、いつの間にかAの後ろには張り付いた笑みを浮かべている夏油の姿が。
「奇跡起こってんだからさ、それくらい起こるよ。てか、傑くんも雄くんもずっと隣で見てたんだぜ？」
「そうそう。縁が結ばれ連鎖するように、奇跡も連鎖するんだよ。そうでしょ、A＿＿」
そしてもう1つの奇跡がここに。
第三十五話「奇跡は連鎖した」→←第三十三話「全ての奇跡をここに」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 235人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mikazuki(プロフ) - すげぇここまで声だして笑えた小説なんてはじめてだわwwwむちゃくちゃ面白かったですありがとうございます！！ (1月8日 17時) (
レス) id: 303456bd13 (このIDを非表示/違反報告)
ミミック(プロフ) - アッハッハッハ……グッ(死亡) (10月11日 22時) (レス) @page4 id: 552a25aaf1 (このIDを非表示/違反報告)
ナナシさん - カオス過ぎてなんかもうストレスとかブッパされましたありがとうございます！！！ (5月6日 0時) (レス) @page43 id: 89253aef59 (このIDを非表示/違反報告)
イレイザー - 何かカオス過ぎてめっちゃ好きッスwwwwwwwwwwwwwwwwww (2023年4月1日 17時) (レス) @page43 id: 442ffadf8a (このIDを非表示/違反報告)
レモン - わぁ！やっと見つけました！ヤンデレになって求婚してきたマジで好きです！シリアスとギャグ描けるなんてすごいっすね！尊敬します！姉貴！ (2023年3月17日 22時) (レス) @page1 id: 6a1f0a5309 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
