乳腺腺維腺腫8 ページ8
潤サイド
残ってた患者さんの診察を終え処置室に行くとご飯食べ終わってベッドに座ってるAと目があった。
「もうご飯食べちゃった？」
A「うん。ゆっくり寝たらお腹空いて目が覚めた。」
にっこり笑顔のA。
病気かも...なんて一人で抱え込んでいるようには見えない。
お兄ちゃん達には遠慮なく頼って欲しいし甘えて欲しいのに。
でも俺たちも結局いつも忙しくバタバタしてるし帰宅すると疲れてること多いし、やっぱり言い出しにくい雰囲気を作ってしまっているのかもしれないな。
よし、単刀直入に聞こう。
そう決めてベッド脇の椅子に座る。
「気分だいぶ良くなったみたいで良かった。もう大丈夫？」
A「...うん。」
少し躊躇したように見えた。
やっぱり肝心な心配事は解決されてないみたいだね。
「ねぇA、何かさ体調のこととか生理のこととか気になってることあるんじゃないの？」
本人もきっと言いたいんだろうけどタイミングやら勇気やら色々あって先のばしになってるんだと思う。
A「...あ、うん。あのね...」
続きを待ってるんだけどなかなか出てこないみたい。
こっちから助け舟出したほうが良いかな。
「生理のこと？出血止めるお薬飲んでるけど血が出てきちゃったかな？それともお腹張ったり痛みとかある？」
A「大丈夫。」
しばらくまた沈黙が続く。
A「でもね...」
「うん？どした？」
このままうまく続けられるかなと思ったんだけど、涙が先に出てきちゃったみたい。
ティッシュとって差し出すと、ぎゅーって目元押さえて。
涙流すと一緒にストレスも発散できるから泣きたいだけ泣けばいいよ。すっきりするから。
少し落ち着くの待とうかなと思っていたら、処置室に近づいてくる二人の足音が聞こえた。
きっと心配性のお兄ちゃん達の誰かが様子見にきたんだな。
和「A、少しは元気になったー？」
翔「お腹空いてないかー？」
やっぱり思ってた2人だった。
Aの泣いてる姿見て俺のほうをじーっと見てくる2人。
「何か気になることあるの？って聞いてたところ。一人でだいぶしんどい思いしてたんだね。言葉出てくる前に涙出てきちゃったの。」
和兄がベッドに上がり肩を抱き寄せてよしよしってゆっくり体さすってあげてる。
翔兄は俺の横にたってAの様子をじっと見てる。
翔「昨日よりだいぶ楽になったみたいだね。睡眠はとりあえずしっかり取れたみたいで良かった。」
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年8月28日 21時
