胃痙攣(智)10 ページ34
和サイド
翔兄に智兄は大丈夫そうだった、て連絡いれたのに。
あれから30分後。
智兄の担当ナース吉田さんが慌てて俺の外来まで来た。
ナ「智先生が、急な腹痛みたいで。診察室のベッドで苦しそうにされてます。」
急いで隣の消化器に向かう。
「救急の翔兄に連絡してくれる？もし忙しくて掴まらなかったら外科の雅でもいいや。」
はい、と言って急いでその場を後にした吉田さん。
とにかくすぐに智兄のもとにかけつけてあげなくちゃ。
「智にぃー、大丈夫ぅー？」
スライドドアをあけると白衣を着たままベッドの上で悶絶している。
聴診器も床に転がってるし...
「お腹痛い？今朝と同じ感じかな？」
とりあえず脈確認して。
仰向けにしたいけど痛みの波がちょうどきててそれどころじゃないみたい。
背中さすってあげながら過呼吸にならないようにだけ気をつける。
「ゆーっくり深呼吸だよー。はぁはぁしたら苦しくなるからね。」
5分ほど経ってもおさまらない。
ブスコパンのアンプルどこだろう？と思ってると
スライドドアが開いた。
翔「胃痙攣？」
アンプルをポキっと折る音が聞こえて、シリンジに薬剤を吸い上げている。
翔「肩出してあげてって結構着込んでるね。お尻の方が早いかな。」
ベルトに手をかけてチャックを外してグイっと下げれるところまで下げる。
「智兄、すぐに痛み止め翔兄が打ってくれるからね。もうちょっと我慢だよー。」
翔「押さえててね。お尻結構痛いからさ。」
プスッと針が垂直に刺さった。ゆっくりと薬剤が注入される。
智「うううーーーんーーー。」
翔「ごめんごめん痛いよね、もうすぐだから頑張って。和、点滴の用意始めてくれる？ちょっと救急で様子みたい。今朝ブスコパン飲ませてからそんな時間経ってないのにまた胃痙攣起こしてるから。癖になっちゃう前にちゃんとコントロールしておかないと。」
「うん、わかった。」
ナースに保管場所を聞いて点滴の用意を始める。
針とかシリンジとか白衣のポケットに無造作に突っ込んで、少しでも早く戻ってあげないと。
智兄の診察室に戻ると翔兄が智兄の背中さすってあげていた。
「どう？」
翔「注射でもさすがに数分では効かないからもうちょっと辛いかも。」
ネクタイもとってシャツのボタンも外してあげて少しでも楽になるようにしてあげている。
「ソルラクトでよかった？」
翔「うん、ありがとう。痛み落ち着くまで待ってあげて。」
「うん。」
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年8月28日 21時
