胃痙攣(智)9 ページ33
智サイド
「調子良さそうですね。同じ薬続けてくださいね。1週間後にまた診せに来てください。お大事に。」
時計を見上げると11時。
あと1時間で終われるかな。
「あと何人待ってる？」
担当ナースに聞く。
ナ「10人です。」
10人か...
はぁぁぁぁーー思わずため息が出てしまった。
ナ「どうかされました？少しだけ休憩されますか？」
「うーんどうしようかな。ちょっとしんどい。」
ナ「風邪ですか？」
「いやちょっと疲れてるだけ。」
ちょっと横になろうかなと思ったら、パタパタと足音が聞こえてきて診察室の前で止まった。
スライドドアが開かれたら、そこにいたのは
なんでこのタイミング？
和「あらら、どうしたの？やっぱりお腹痛くなってきた？」
ナ「腹痛だったんですか？」
「違う違う。ちょっと疲れたからさ5分だけ休憩しようと思って。」
なんか苦しい言い訳だな。
和「薬は飲んだ？」
「飲んだよちゃんと。薬剤部にも行ってもらってきたし。」
机の上の体温計を掴んで近寄ってくる。
「ちょっとーやめてよー。5分寝たら大丈夫なんだからー。」
和「念のためにね。もし熱出てきてたら翔兄に言わなくちゃいけないし。あと外来何人？」
ナ「10人です。」
「このまま診療続けるからね。」
強く言ってみたものの和は聞いてないみたい...
和「熱はないね、6度7分。まあ薬もちゃんと飲んだみたいだし大丈夫かな。」
「大丈夫だって最初から言ってるもん。」
ナ「どっちがお兄さんかわからないですね、ふふ。」
ナースにまで笑われちゃったし！
和「智兄ね、数日腹痛と食欲ないのと、今朝明け方胃痙攣起こしたの。だからちょっと気をつけて様子見ててあげてくれる？お名前は？」
ナ「吉田です。」
和「吉田さん、お願いするね。」
にっこり可愛い笑顔を向けられた吉田さん、目がキラキラしてるし。
和ってこういうところ本当に上手いもんな。
ナ「あ、はい、わかりました。」
「さっさと自分の外来に戻りなよ和。僕だって早く診療再開しなくちゃいけないんだからね。」
和「わかってるよ。じゃ、吉田さんよろしくお願いしますねー。」
もう一度とびきりの笑顔向けて出て行った。
ナ「和先生って素敵ですよね。」
え？完全に心持っていかれてるし...
「じゃ5分だけ横にならせて。」
ナ「はい。5分経ったら呼びにきますね。」
白衣を脱いで横になると疲労感が増した。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年8月28日 21時
