乳腺腺維腺腫2 ページ2
Aサイド
ばれちゃったかな。
和兄やっぱり一番勘が良いっていうかよく観察してる。
お風呂長いのには理由があって。
最近テレビでも若い人の乳がんが増えてるって。
しかも若くして罹患する癌は進行も早くて怖い病気だってイメージがあって。
自分でできる簡単な検査、みたいなのが雑誌に書いてあったから試してみた。
そしたら...
何かコリコリってするのが触れて。
気づいたのが2週間くらい前。
生理の前だったから胸張ってたからだよ、きっと。
って自分の言い聞かせて何でもない何でもないって思い込もうとした。
でも生理が終わってもおんなじようにコリコリしたものがあって。
触っても痛くないんだけど。
でも癌だったら痛みは伴わないとかってネットで調べたら書いてあったし。
しこりに気づいてから夜眠ろうと思ってもなんか得たいの知れない恐怖が襲ってきて。
眠れないからってネット検索始めるともっともっと怖くなって。
寝ても変な夢見て汗かいて起きちゃうし。
癌だと寝汗がある場合もありますとか書いてたし。
とにかくここ2週間ほど頭の中は胸のしこりのことでいっぱいで。
今ももう夜中の2時なのに。
眠れないし。
どうしよう。もし癌だったら。
私死んじゃうのかな。
お兄ちゃんたち悲しむかな。
もっともっとやりたいことあるのに。
死にたくないよ、死にたくないよ。
はぁはぁはぁ。
やだ、絶対に死にたくないもん。
はぁはぁはぁはぁ。
なんか息も苦しくなってきちゃった。
はっはっはっはぁぁー。
冷や汗？背中も冷たいような。
手も痺れてきたみいな感覚がする。
このまま死んじゃうのかな。いやだ、いやだ。
はぁはぁはぁはぁ。
和にぃ、翔にぃ、どこ。助けて。助けてお願い。
ベッドからなんとか這い出て痺れて重くなった足を引きずるようにドアまでなんとか歩く。
ドアを開けて廊下まで出た。
翔にぃの部屋に行こうか、和にぃの部屋に行こうか。
潤にぃって今日帰ってくるんだっけ？
まったく機能を果たしてない頭であれこれ考えようとしてみる。
はぁはぁはぁ。
もう無理...
これ以上足が動かない、手も強張ってきた...死んじゃうのかなぁ。
やっぱりやだよ、助けて。
どのくらいの時間廊下にうずくまってたのかな。
肩をぎゅっと抱きしめられた。
翔「A、A、どうした？大丈夫？A、A？」
何度も名前呼ばれるのに反応できない。
和「A？翔兄、Aどうしたの、こんなとこで。」
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年8月28日 21時
