ぐずぐず和10 ページ46
雅サイド
右左と交互に背中全体を打診していく。
軽度の気胸ならレントゲン撮るかCT撮らない限りわからないのが本当のところ。
呼吸器専門のドクターなら、つまり和兄なら聴診器1本あれば診断つけれるだろうけど。
当の本人が患者さんだからね...
兄弟4人で四苦八苦、とまではいかないけど。
いかに普段基本の手技おろそかにして機械やらデータやらに頼ってるのかよくわかる。
「はい、おしまい。」
すべすべの背中なでなでしてあげて服を元通りにする。
翔「で、どう？」
「100％大丈夫っていうにはレントゲン撮らなきゃいけないけど、打診で判明するほど重症な状態ではない、っていうところかな。」
早い話、結局わからないってことなんだけど。
まぁ重篤ではないっていうことは確か。
「今すぐに病院連れて行かなくても明日の朝一でレントゲンで俺は大丈夫だと思うよ。本人の自覚症状次第だけどね。」
翔「そっか、ありがと雅。和ぅ、具合どう？病院行くか？」
その聞き方でまさか行くーとは言わないと思うけど。
和「だいじょうだもん。お薬だけちょうだい。」
「咳止めのこと？」
和「痛いの...」
翔「痛み止め飲まないと我慢できないくらい痛いの？どこ痛いか教えて？」
呼吸のたびに多少なりとも痛みがあるんだろうね。
まぁ肺のブラが破れてそっから空気漏れてる可能性大だからそりゃ痛いよね。
あー思い出しただけでも痛い気がして思わず俺が自分の胸さすっちゃったよ。
翔「お前で胸さすっても楽になんないよ、笑。」
「そうなんだけど思いだしただけで痛い。呼吸のたびにきゅううーーって締め付けれるみたいな痛みあるんだもん。」
智「和、そんなに翔にひっついてないで、どの辺りが痛いのか指差して教えてよ。」
痛みの部位特定しておくの重要だからね。
気胸、気胸って検査なしに確定しようとしてるけど、痛みの場所が全然別の場所なら他の疾患の可能性も大いにあるわけだし。
潤「よいしょっとー。ちょっとの間だけ翔兄から離れようなぁー和くん。」
後ろから両肩掴まれて潤に引き離されちゃった和。
必死で翔兄の胸に戻ろうと手動かしてる姿が可愛い。
翔「ここ？それともこの辺り？どの辺？」
翔兄が和兄の胸あちこちに触れて痛い場所探してる。
和「...ここ。きゅーーって。」
やっぱり右胸の上の方痛いんだ。
翔「予想通りの場所だね。まあ会話もできる状態だし明日の朝までは鎮痛剤で様子見ようかな。」
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年2月23日 20時
