ぐずぐず和9 ページ45
和サイド
「...抱っこ。」
これで何度目だろう。
抱っこしてって隣にいる翔兄に言ってるのに全然気づいてくれない。
智兄も起きたのか会話に入ってる。
翔兄の肘ツンツンしてみる。
「...抱っこぉー。」
笑い声あげてみんなで話してっ！和くんしんどいのにぃーーー。
ケッホケホケホッッ！
ちょっと大げさにに咳き込んでみた。
翔「おっとっとーー、大丈夫か和？」
「ゲッホゲホゲホゲホ。」
もう一度大げさに咳してみる。
智「あらら、大丈夫？」
「抱っこぉー。」
今度は聞こえたみたい。
翔兄が向かい合うように膝の上に乗っけてくれて背中トントンしてくれる。
ずっとこうして欲しかったの、やっと気づいてくれた。
雅「酷くなってきちゃったかな。病院やっぱり連れて行こうか。」
潤「パルスオキシメーター結局見つからなかったから酸素飽和度わかんないしね。」
「大丈夫だもん。」
翔「本当に？ちょっとさ誰か背中で右肺の音聞いてくれる？」
潤「俺は自信ないよー正直。普段聴診器すらほとんど使わないもん。」
そうだろうね潤は。血圧測る時くらいじゃないのかな。
雅「俺は苦手...顕著な異常しかわかんない。」
まぁ外科もそうだろうね。普段の診察ではそこまで聴診しないだろうし。
智「うーーん、お腹の聴診と触診なら任せて！って大きな声で言えるけど。まぁでもAが調子悪いときとか診てきたし一応一番長くドクターやってるから僕が聴いてみようか？」
翔「もうー皆もうちょっとしっかりしてよー。基本中の基本じゃん。じゃとりあえず智兄お願いします。」
ほんと翔兄の言うとおり...
もうちょっと皆基本に戻ったほうが良いんじゃない？
服が捲り上げられて背中が丸出しになっちゃった。
智「右肺って言ったよね？」
翔「うん肺尖。胸部前面から聴いたほうがわかりやすいけど、とりあえず背中でお願い。それでも顕著に異常認めれるようなら病院連れて行くわ。」
智「えー僕の腕にってか耳が頼りなのー？」
なんて頼りなさそうな声出すのよぉ。
雅「それほどの異常ならさ叩けばわかるよ。」
叩けばって..言い方...
そう思ってるといきなり背中をリズムよく、スナップの効いた指が動いている。
翔「打診の才能は雅あるもんなぁ。」
確かにこういう動物的な感覚、雅は優れてるんだよね。
智「折角、聴診のスキル試せると思ったのにー。」
実験台にしないでよ...智兄ったら。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年2月23日 20時
