どうなっちゃうの?2 ページ14
和サイド
どんより重苦しい空気感...
翔兄がイラついて怒ってるのは目に見えてわかる。
潤が申し訳なさそうなすまなそうにしてる姿が痛々しい。
いつも穏やかな智兄でさえ翔兄の潤に対する態度に不満がありそうで。
こんな時に雅がいてくれたらなと。
早くオペ終わって走ってきてくれないかなぁ。はぁぁ。
事の発端は2時間ほど前に救急のスタッフからすぐに来てくださいと呼び出されたことにさかのぼる。
何事かと思ってとりあえず目の前の仕事を終わらせて駆けつけたらAが腹痛で受診したって。
まぁそんなことこれまでもあったことだし。
********
「Aどうしたの？」
翔「生理痛が酷いみたいでさ。潤にもらった薬飲んだっていうんだけど。だいぶ辛いみたい。」
翔兄が俺に気づいてこっちに向かってくるので状況を聞いてみる。
「自分で受診しに来たの？救急まで？」
翔「うん。仕事行ったらしんだけど、我慢できなくなって午前中だけで引き上げてきたみたい。俺にも山下にも連絡なくて待合で待ってたんだけど、ナースが気づいてくれてさ。」
救急の待合なんて具合悪い人で溢れかえってるのに、ナースがわざわざ優先したってことはよっぼどの状態だったんだと想像できる。
翔兄についてAのベッドまで向かう。
「生理痛が特に酷いってこと？」
翔「まだ検査できてないんだけどMRIの順番待ちしてるところ。採血はした。とりあえず輸液繋いでる。しばらく食事もろくにできてなかったのか栄養状態も良くない。」
え？そんなに？
「トモ君は何も知らなかったの？」
翔「ここんとこ学会の準備と人手不足でほとんど病院で寝泊りしててさ。」
確かに翔兄も全然家に帰って来てない。
トモ君いないときは実家に戻ってくること多いのに来なかったこと思うと具合悪いの知られたくなかったのかな。
翔「具合どうA？」
ベッドの上で丸くなってまだだいぶ辛そうなA。
「だいぶしんどそうだね。鎮痛剤は？」
翔「筋注したんだけどね。あんまり効いてないねこの感じだと。A、まだお腹痛い？」
はぁはぁと不規則な呼吸をしながら時々ううぅと唸ってる。
A「お腹痛い翔にぃ...お腹、お腹。」
翔「アンペックの座薬持ってきてー。」
通りがかりのナースに指示する翔兄。
「潤は何かAから聞いてるの？」
翔「病棟バタバタしてるみたいでまだ話できてない。手が空いたらすぐに救急くるようには伝えてもらってるけど。」
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年2月23日 20時
