ぐずぐず和14 ページ50
翔サイド
最初に心音ちゃんと聴いておこう。
昨日から肺ばっかりに気を取られてたからね。胸痛訴えたし念のために。
ドックドックと規則正しいしっかりした心音が聞こえてきた。
「心臓は元気いっぱいだね。」
目を合わせると恥ずかしがって俯いてしまった。可愛いなぁ。
肺の音も気をつけて両肺と聞き比べる。
やっぱり若干だけど右が弱い。
「はい、おしまい。やっぱり右の呼吸音かすかにだけど左と比べると弱い。ほぼ右肺の突発性自然気胸で間違いない。じゃレントゲン撮って確定させちゃうね。レントゲン室まで行くの面倒でしょ？ポータブル持ってきてもらうからここで撮っちゃおう。」
カーテン開けてポータブル持ってきてーと大きな声を出す。
和「仕事いける？」
「今日はさすがに休んでよ。明日以降は和の体調次第かな。外来での診療は良いけど、病棟あんまりウロウロしないで欲しいかなー。できるだけ安静にね、ってそんなこと俺が言わなくても和の専門でしょ？」
ナ「お待たせしましたー。」
「ありがとう。」
ナ「ベッド倒しますねー。服も上まで捲くりますね。」
手際よく準備してくれるナース。恥ずかしがってる暇もなくされるがままの和。
「じゃ、頑張って深呼吸してよ。吸ってー吐いてー。もう一回吸ってー吐くいてー。はい、次で撮るから吸いこんだところで止めてね。」
すーっと吸い込んで止めたタイミングを見てボタンを押す。
「はい楽にしてくれて良いよ。画像は和が見てね。和の方が鋭い目持ってるはずだから。」
和「気胸って再発しやすいって言うから嫌だなぁー。」
「まぁ一度なった人は体質的になりやすいって言うけど、でも雅もここしばらくは問題なく過ごしてるしそこまで心配しなくても。」
あっという間に画像がPCにアップされる。
またギャチアップしてあげて近くまでPCを持って行ってあげてっと。
和「あーここだわ。」
ほら、やっぱりあっという間に病変見つけたよ。
さすがだね。
「肺尖でしょ？どうするCT撮ってもっと詳しい状態見る？」
和「いいよそんな大げさなこと。これだと1週間もしたら自然に治ると思う。」
「専門医の言葉信頼してるから。じゃ今日は大人しくしててね。」
和「はーい。時々は顔出してよー翔にぃ。」
さっきまで呼吸器のドクターの格好良い横顔だったのに、急に甘えん坊さんなるんだから。
「わかってるよ和。じゃゆっくりしててね。」
和「うん、いってらっしゃい翔にぃ。」
「行ってきます和。」
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年2月23日 20時
