兄達と旦那さんはスーパードクターズ 24 (ページ18)

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肺炎(翔)5 ページ18

和サイド

心配だから翔兄の部屋で眠ることにした。

一応一時間おきにアラーム設定をして容態を確認する。

ゲホゲホ。
咳の音で目が覚めた。スマホを見ると時間は4時半。
4時にチェックしたときは大丈夫そうだったんだけど。

「大丈夫？咳出てきちゃったね。」

ベッドサイドの灯をまぶしくないように少しずらして点ける。

だいぶ汗かいてるな。
首筋に触れると熱く汗でしっとりしている。

点滴のスピード少しあげたほうが良さそう。

「体いったん起こそうか？横になってると息苦しいでしょ。」

よいしょっと身体を持ち上げてベッドの背にもたれかからせるんだけどぐったりしている。

翔「かずぅ...しんどい、痛い、苦しい..ゲホゲホ。」

息切れがしてるのか途切れ途切れにしか声が聞き取れない。

酸素あれば良いけどさすがに家にないもんね。

「しんどいねぇ翔兄。お熱上がって来ちゃったかな。ちょっと耳に体温計いれるよ。動かないでね。」

耳に体温計を差込み汗ばんだ手首で脈を診る。
速い脈が伝わってくる。もう1本輸液も追加したいところ。

計測完了音がなり取り出してライトの下で見ると38度8分と表示されている。

相変わらず脇腹が痛いのか左側をかばうように身体を少し丸めている。

翔「かずぅーかずぅー。」

ただ俺の名前だけを呼び続ける翔兄。
こんなにぐったり弱った翔兄を目の前にすると不安になるよ。

「ん？なぁに？ここにいるよ。お熱ね、9度近くまで上がっちゃった。息するの苦しい？吸ったりはいたりすると痛みあるの？ちょっともしもしさせてよ。」

抵抗することもなくそのままの体勢で目を閉じ時々眉間に皺を寄せてはケホケホと咳をしている。

やっぱりブツブツと左肺全野から聞こえてくる。
朝まで待たないで救急連れて行ったほうが良さそうだな。

気管支も息を吐くたびにピューピューと狭くなってる音が聞こえる。

できることって輸液の追加と酸素マスクくらいだけど、それだけでもだいぶ違うと思うし。
どの程度の肺炎なのか菌の特定もしたいし、それにレントゲンも撮っておきたい。

「翔兄、熱も上がってきたし左肺全体にブツブツ音聞こえるし今から救急行こうね。智兄起こしてくるからちょっと待っててよ。気管支も狭くなってるから吸入一回だけシュって頑張って吸っておこうね。」

シムビコートを咥えさえ呼吸のリズムを整える。

「じゃ吸ってよ。はい、いち、にーの、さん。」

頑張って吸い込んでる翔兄の目には涙が浮かんでいる。