肺炎(翔)4 ページ17
翔サイド
やっべ、やっべ。和にばれちゃうよ絶対。
ただで勘が良いし、すでに俺を見る目が疑いの目...
和「どこが痛いの翔兄？」
優しい声だけど目は真剣...
「咳出るの。」
質問と答えがちぐはぐ。
和「うん。咳も出てるけどさ。熱も高いし。どこか痛いところあるんでしょ？どこかなぁ？」
小首をかしげて可愛い和。
「ゲッホゲホゲホゲホゲホ。」
いったん咳が出ると止まらない。
その上、いっったいんだってーー。あばら骨が。
和「咳いつから？」
聴診器プランプラン回しながら笑顔を向けてくるんだけど、その笑顔が怖いんだよ。
「昨日から、ゲッホ。」
潤「和兄に診てもらおうねー。はぁーい。ばんざいしてくださーい翔くん。」
潤がいきなりTシャツ上まで捲くりあげちゃった。
ものすごい恥ずかしいんだけど...
「ゲホッゲホ、寒いぃー。」
和「寒いわけないでしょ。吸入したり薬飲んだりした？」
「してなーい、ゲホ...ゲッホ。」
和「風邪引いたなーと思ったら喘息の発作予防のために吸入しないとだめだよー翔兄。はーいじゃ和先生がもしもししまーす。潤、翔くんが泣いちゃわないようによしよししてあげてくださーい。」
潤「はーい。」
こいつら俺で遊んでるだろう、ゲッホ。
和「ここどうしたの？ぶつけた？打身みたいになってるけど。」
聴診器あっちこっちにペタペタ当てながら可愛い手で左の脇腹触ってくる和。
痛いんだってー。
「フットサルでね、ぶつかっちゃったの。」
潤「だから咳したら響くんじゃない？」
コクンコクンと頷く。
和が静かになったなと思ったらやけに真剣な顔して呼吸音聞いてるんだけど。
そんな真剣に聞かなくても風邪じゃないの？
喘息だって出てないし、まあ少なくとも今のところは大丈夫だと思うよ。
和「潤、点滴持ってきてくれる？シプロキサンのアンプルもあると思うから。」
は？え？何？
なんでそんな強力な抗生剤、しかも点滴で？
潤「わかった。すぐ持ってくるね。」
早足で部屋を出て行く潤。
いまだに、は？って顔をしてる俺の顔を見て驚くようなことをさらっと言う和。
和「肺炎起こしてると思う。明日とりあえずレントゲン撮るけど今から抗生剤いれちゃうね。そんなに咳が酷くないのと息苦しさないのが救いだけど。胸重たい感じしたりしない？」
言われてみると確かにちょっと息苦しい感覚はあるけどあばら骨の痛みのほうに神経いっちゃってるから。
「ん..ちょっと苦しいけど、大丈夫よ。」
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作者名：ルパン
| 作成日時：2015年7月15日 21時
