手足口病(潤)11 ページ11
翔サイド
お、お、重たい...
和と違って潤はやっぱりずっしりしてるから腰に来るよ。
雅に救急センターの目の前に車停めてもらってほんの数メートルの距離おんぶしてるだけなのに。
「病院着いたからね潤。今日は一日寝んねしてるのが潤の仕事、わかった？」
背中にへばりついてる潤に話しかける。
潤「翔にぃも一緒に寝んねね、約束ね。」
また無理難題を。
末っ子君は何を言っても受け入れてもらえるってわかってるから、あっさりとこんな無理難題を口にするんだよ。
「んー、翔兄はお仕事しなくちゃいけないから一緒に寝んねは無理かなー。」
いきなり背中に痛みを感じたと思ったら潤がこぶしでボコボコと俺の背中を叩いている。
潤「だめぇーーー。翔にぃも寝んねがお仕事なのぉー！潤と一緒に寝んね！」
そんなにボカボカ叩かないでよーーー。
「翔にぃはしんどい人助けてあげるのがお仕事なんだよ？潤が寝んねしてるところにもちょくちょく顔出すからさ、ね？」
まあこんなことで納得するわけないだろうけど...
センターの中に到着して潤をベッドに下ろした時点で汗びっしょりなんだけど。
まっじ熱い。
とりあえず着替えに行かなくちゃいけないし、その前にスタッフに状況説明しなくちゃいけないし。
感染のおそれあるからできたら個室確保したいし。
潤「翔にぃ、どこにも行っちゃだめよ。ずーっと潤と一緒にいるんだから。ここ座って。」
自分が座ってるとなりをポンポンと叩いてじーっと見つめてくる。
あれだけ口内炎できてるのによくこれだけおしゃべりできるなぁ。
でも良く見るとものすごい涙目になってる...かわいそうに。
「潤、翔にぃね着替えてこなくちゃいけないから待っててね。それに、おしゃべりしたらお口の中痛いでしょ？翔にぃ戻ってくるまでここで大人しく待っててよ。」
首をブンブン横に振るんだけど...
いつまでも潤1人に付き合ってるわけにいかないんだよー悲しいことに。
俺だってさーできたらずっとそばにいてやりたいけどさ。
「3分で戻ってくるから。そしたらその後はしばらく一緒にいてあげられるよ。」
一緒にいてあげられる、なんて聞こえが良いけど、点滴替えたり薬剤追加したり診察やら検査やら潤にとったら嬉しくもないことだろうけど...
でも嘘じゃないしね。
返事を聞く前にその場を離れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 729人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルパン
| 作成日時：2015年7月15日 21時
