夏風邪(潤)2 ページ45
翔サイド
「潤先生、体調いかがですか〜？救急から往診に来ました〜。」
昨夜遅く帰宅して雅から潤の体調が悪そうだと聞いた。
でも本人からは何も言わないし聞きだそうとしても、いつもの放っておいてくれ状態でうまく聞きだせなかったとのこと。
朝ごはんのときにでも顔合わせたら大体どういう状態がわかると思ったのに、悟られまいとしたのかかなり朝早く家を出てしまっていた。
ということで、潤を捕まえられるのは午前の外来診察の終わりごろ。
そう狙いをつけて婦人科の外来までやってきた。
机のパソコンに向かって何やら忙しそうに入力している。
疲れているのか具合が悪いのか何度も入力ミスをして少し苛立ってるみたいだ。
「おい、具合はどうなの、潤？智兄と雅が心配してたよ。夏バテか夏風邪かなぁって。」
話しかけてもこちらを向かない。
潤「何？今ちょっと忙しいの。あーもう、くそっ。」
また間違えちゃったみたい。
「ちょっと休憩したら？ほらこっち向いて。」
目の前の患者さんようの丸椅子に座りグッと潤との距離を縮め、潤の肩に手を置く。
潤「ふーーーっ。」
大きなため息をついてキーボードから手を離す潤。
肘掛に手をかけてくるっとこっちに向くようにドクターチェアをまわす。
「体調はどうなの？放っておいてくれオーラで全然聞きだせなかったって雅が言ってたよ。」
潤「...ああ、ちょっと疲れてるだけ。..ああ、いってぇ..」
疲れてるだけと言った矢先、身体を前かがみにして手をお腹にあてている。
「腹痛いのか？夏風邪かなぁ。夏風邪はお腹にくるっていうから。ちょっとベッドに横になろうか。」
潤「だ、だいじょぶだって。」
全然大丈夫そうじゃない声なんだけどな...
そうかこうやって前かがみの体勢のほうが楽なのかな。
「こうしてるほうが楽なの？ちょっと熱だけ測らせてよ。」
とは言ったものの体温計が見当たらない。婦人科ってそんなに体温測らないのかな？
呼吸器とか消化器ならすぐ目のつくところにあるんだけど。
「体温計持ってきてー。」
少し大きめの声を出すとすぐにナースが持ってきてくれた。
ナ「潤先生具合悪いんですか？」
「本人は大丈夫って言ってるんだけど念のためね。ありがとう、体温計。」
そう言って受け取り潤の耳に挿しこむ。
ピピピ。
37度3分。
なんとも微妙な体温だ。
熱ないとも言えないけどこれくらいなら様子見るしかないかな。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年7月7日 21時
