脳震盪8 ページ29
智サイド
「だーめ。朝までは病院にいなくちゃいけないって言ったでしょ？」
A「だってー。本当になんともないんだもん。」
まあたいしたことなくて本当に良かったけど、後から症状出てくることだってないわけじゃないし。ドクターとしてはこのまま帰宅させるわけにはいかないよ。
雅「A両手出して、雅兄の手握ってみて。」
は？みたいな顔で雅のことを見つめてるA。
雅「ほーら早く。」
雅が両手を差し出すと不思議そうな顔をして手を握ってるA。可愛いなぁ。
雅「ぎゅーって力入れて握ってみて。そうそう。はい、じゃこれ何本？」
Aの前でピースサインを作って思い切り笑顔を向けている雅。
A「えーっと、私にはものすごい笑顔でピースしてる雅兄が見えるけど？」
大正解だね。
和「うん、俺にもそう見えるよA。」
雅「A、頭は大丈夫そうだね。」
A「なんかその言い方やだぁ。」
潤「ねー、なんかAがおばかな誰かさんみたいな言い方だよねー？」
雅「はいはい、もうそれだけ口達者なら本当に問題なさそうだね。じゃお腹診るからちょっとベッドの背倒すよー。ゴローンてしてねー。」
ベッドに横になったAは急に恥ずかしそうな顔になる。
まあお兄ちゃんたち4人に囲まれてお腹出すのは恥ずかしいか。
潤「急に恥ずかしくなっちゃったA？」
A「平気だって言ってるのにー。さっきもお腹見せたよ？」
雅「すぐだから。ごちゃごちゃ言わないのぉー。」
雅が診察しやすいように服を上のほうまで捲くり上げる。
やっぱり打ったところまだ赤くなってるね。
両手で顔を覆ってるA。
和「手はほらこっち貸して。和兄と繋いどこうね。」
触診は患者さんの表情見ながらするって基本だからね。顔隠されちゃうと困っちゃう。
口を尖らせてちょっとはにかんだような表情をしてるA。
そんなこと構わず真剣な表情をしているのはドクターモードの雅。
雅「さっきより痛み酷くなってるとか、別の場所が痛いとかない？優しく触るけどあんまり痛いようなら我慢しないでちゃんと教えてね。」
それでもAに向ける笑顔は優しいお兄ちゃんそのものだね。
ゆっくり丁寧にAのお腹を触る雅。
やっぱり赤くなってる付近に痛みがあるのか時々顔をしかめてる。
中でじわじわ出血とかしてませんように。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年7月7日 21時
