脳震盪7 ページ28
潤サイド
救急から連絡が来てAが駅でのエスカレーター将棋倒し事故に巻き込まれたと聞いた。
大急ぎで病院へ向かう。
どの程度の状態なんだろうか、意識はあるのか、内臓損傷してないか、骨折してないか、顔に傷ができてないか、とにかく最悪の状態ばかりを考えてしまう。
センターの自動ドアが開くスピードまでも遅く感じてしまう。
一歩足を踏み入れると雅兄の姿が見えた。でも他の患者さんの処置に当たっているみたいだ。
見つめているとこちらを向いてくれて、すぐに駆け寄ってきてくれた。
「Aは？A大丈夫なの？意識はある？怪我の程度は？」
雅「ちょっと落ち着いて潤。Aは意識もしっかりしてるしちゃんと受け答えてもできてるよ。腹部に打身があるからしばらく様子見なくちゃいけないけど。あとは現場で数分意識失ってて、気がついた後もしばらく混乱してたみたい。おそらく軽い脳震盪だと思うから今のところ心配いらないけど明日の朝まではここでモニターさせてもらう。」
「そうなんだ。てっきり大怪我とか重体なのかと思った。」
雅「智兄と和兄がついててくれてるよ。本人はいたって元気でお家に帰りた〜いって言ってる。久しぶりに潤の手料理食べたかったみたいだよ。事故現場でもずっと、潤兄、潤兄って、お家で待ってるからって言ってたみたい。」
なんかそんなこと聞くと照れちゃうよ。嬉しいなぁ。
「大慌てで家から出てきたから何も持ってこなかったよ。もし状態聞いてたから作ったもの少しでも持ってこれたのにね。」
雅「手料理なんていつでも作ってあげられるからいいじゃない。それより早く顔見せてあげて。Aずっと待ってたんだから。俺もそろそろ様子見に行こうと思ってたところだから一緒に行こう。」
雅兄の後ろについていくとカーテンを向こうからAと和兄の楽しそうに話す声が聞こえてきた。
A「あ〜潤兄だぁ〜。待ってたよー。ご飯食べたかったのー。」
「事故に巻き込まれたって聞いて、まじビビッたんだからー。」
智「和も院内すごい勢いで走って大慌てしてたよね。」
和「だっててっきり意識不明かと...」
「俺もものすごい重傷かと思った。」
雅「まぁ事故に巻き込まれたって聞いたらどうしても悪い方向に考えちゃうよね。ところで、A具合はどう？お腹の痛み強くなったりしてない？あとは頭痛とか目がかすむとか吐き気は？」
A「全然なーい。大丈夫って言ってるのにー。お家帰りたい〜。」
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年7月7日 21時
