兄達はスーパードクターズ2 (ページ13)

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貧血(潤)2 ページ13

雅サイド

子宮筋腫で外科にまわされてきた患者さんを
内科的に治療できないか聞かれ、潤に相談しようと思い、
今、婦人科の医局にきている。

あ、いたいた。
なんか後姿がちょっと疲れてるな。
最近勉強会やら学会やらで忙しいみたいだし、
その上夜遅くまで部屋で何か作業してるしな。

声をかけようと思ったとき、潤が立ち上がった。
と思ったら、身体がぐわーんと傾き、
潤は倒れまいと必死に机につかまっているみたいだ。
しばらくして、ドスンと座りなおし椅子の背中に全体重をかけてる。

「おーい潤、どうした？
立ちくらみでもしたかー？」

そう言って潤のそばに行く。
顔色、しろーくなってるよ。貧血だな、これは。

潤「ああ、雅兄。どしたの？珍しいね、雅兄が婦人科の医局まで来るなんて。
患者さんの相談？」

立ちくらみしたことを感ずかれないように、患者さんの症例の話を始める潤。

「そう、子宮筋腫の患者さんなんだけど内科的治療を希望されていて。
って、それはとりあえず、おいておいて、
さっき立ち上がったとき倒れそうになったでしょ？
必死に机につかまってる後姿見ちゃったよ、俺。」

しまった、見られてたかーって表情の潤。

潤「大丈夫、大丈夫。ちょっと最近疲れ溜まっててね。
勉強会やら重なっていつもより忙しいから」

と、早口にしゃべる潤の手首を隙をみてぎゅっとつかむ。

「９０ってとこだね。」

ほぼ確実に貧血だろうな。
どうせだったら血液検査までしちゃいたいところだけど、どうしよう。

採血の腕は和兄が一番だから潤連れて行っちゃおうかな。

「さっきの患者さんの話だけど、今ちょっとだけ診てあげてくれない？」

一緒にきて、と言って潤の腕をつかんで歩き出した。