ストレス13 ページ49
潤サイド
午前の最終にAの予約を入れた。
ナースには先に休憩にいってもらいAと山下先生を診察室へ呼ぶ。
「A今日の気分はどう？昨日よりは顔色いいね。」
山「点滴で栄養ちょっとはついたかなってとこですかね。睡眠も取れたみたいだし。」
山下先生に付き添われて診察室へ入ってきたAは昨日に比べてだいぶすっきりとした顔をしている。覚悟が決まったっていうことなのかな？
和兄に頼んで朝一で採血してもらったのでデータ出てるかなー。
採尿も一緒にやってるし、妊娠してたら今ここでわかるってことだよな。
なんか俺のほうがドキドキしてきた。だっておじさんになるってこと？ていうか
Aが母親になるってこと？山下先生が義弟になるってこと？
色々なことが頭を駆け巡る。
PCでAのカルテを立ち上げて検査結果を見る。
？？？俺の頭の中が混乱している。陰性？てどういうことだ？
尿でも血液でも妊娠反応が出ていない。
山下先生がどうでした？っていう顔で俺の横顔を見つめているのがわかる。
「エコーしようか。血中hCG値ではネガティブ。」
とAにはわからないように山下先生に伝えてみる。
なんでだ？って顔をしている。俺も同じだよ、なんでだ？って思ってる。
山「A、ベッドに横になろうか。お腹診てもらうねー。痛くないから大丈夫だよ。下着とって横になってね。膝立てれる？タオルかけてあがるから。」
と言いながら山下先生がAをベッドに誘導して経膣エコーできる体勢にしてくれる。
「ちょっと違和感あるかもだけどすぐに終わるからねA。口開けて深呼吸しようか。力入ってると痛いかもしれないからね。ゆっくり吸ってー吐いてー。そうそう、はい、もうエコー入ったよ。少しの間動かないでね。」
山下先生にも見えるように画面の位置を調整する。
妊娠していれば５，６週目でも見られるはずの胎のうが子宮内に見られない。
これでAが妊娠してないことがはっきりした。
山下先生の顔を見ると、頷いている。少しだけ残念そうな顔をしているような。
山「A、妊娠してないよ。」
と頭を撫でながら話しかけている山下先生。Aは驚いて、なんで？っていう顔をしている。
安心したような残念そうな表情をしている。
どっちにだったにせよAにとったら複雑な気持ちだったろうな。
「生理3ヶ月来なかったのはおそらくストレスか過労か。検査薬で陽性が出ることはまれーにあることだから。」
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作成日時：2013年7月27日 20時
