吐血(潤)5 ページ41
雅サイド
俺が運転してさっき家に戻ってきた。
潤はまだちょっと具合が悪いみたいで部屋で寝ると言って2階へ行った。
まあ足取りもしっかりしてるし、
晩御飯のときに起こせばいいかな。
そのころには智兄も仕事から戻ってきてるから、何かあれば診てもらえばいいか。
翔「潤、大丈夫かな。まあひどくなったら自分から言ってくるか。」
「このところ忙しかったみたいだし、疲れがでたのかもね。
夕食まで寝かせてあげようよ。」
そう言って、俺もリビングでテレビを見たりしながら皆の帰りを待つことにした。
6時になり和兄と智兄が一緒に帰ってきた。
Aはサークルの友達と食べてくるらしく遅くなると連絡があった。
「おかえりー。お疲れ様。」
和智「ただいまー」
2人がリビングに入って来たとき、2階でドタドタという足音とともに
トイレのドアが思い切り開けられた音が聞こえ、
潤のうめき声が聞こえてきた。
びっくりした俺と翔兄は、急いで潤の元へ走る。
「おい、大丈夫か？って、全然大丈夫じゃないね。
智兄！今すぐ2階来てー。潤が血吐いてるー！」
翔兄が潤の横にかがんで、脈を診てる。
いつでも冷静だよ、翔兄は。
吐いた血の色は鮮血色。出血してわりとすぐに吐いたのだろう。
おそらく上部消化管である食道、胃、十二指腸あたりからの出血だろう。
翔「量はそんなに多くないな、鮮血だから出血してすぐ吐いたんだろう。
胃か十二指腸辺りからかな。
なあ、潤？お腹痛かったりしなかったか、最近？
今日の昼間も空腹のときに少し痛かったんじゃない？」
かすかにうなづく潤。
間違いないな、十二指腸から出血してる。
智兄が慌てて階段を駆け上ってきて、潤の様子を見てる
智「あらー、潤。痛みしばらくあったんじゃない？
このまま病院行こう。内視鏡やって出血箇所すぐに止血してあげたほうが良いよ。
ちょっとごめんね、痛いかもしれないけど、お腹触るよ」
そう言いながら、トイレの床に座り込みハーハーと息の上がっている潤の
お腹に手を触れる智兄。
みぞおちから右にかけて触診しているときに顔をゆがめて痛いと小さくつぶやく潤。
智「ごめん、ごめん、痛かったね。デファンスはないから腹膜炎は起こしてなさそうだね。
でも穿孔の一歩手前かもしれないから緊急内視鏡しよう。
翔、お願いできる？
本当は僕ができたら良いんだけど、今日はもう疲労困憊で手元が狂ったらまずいからお願い。
サポートするから。」
翔「オーケー。じゃ病院へ急ごう」
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作成日時：2013年6月1日 22時
