兄達はスーパードクターズ (ページ28)

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虫垂炎(智)3 ページ28

智サイド

雅に見られてしまった。

やっぱりお腹の痛みが気になったから、自分で診察してみようと思って
診察台に横になったんだよね。

シャツをまくって、ベルト緩めて、ちょうど触診始めようかなと思ったときに
思い切り診察室のカーテンを開けて入ってきた雅。

目は丸くなって、何してんの？？と言っていた。

でも、うすうす感じ取ったようで
診察してあげるよ、診察台に横になってと僕を見つめてる。

「うん。ありがとう。じゃ雅先生に診てもらおうかな。」

雅「喜んで。はい智くん、ここに仰向けにねてくださーい。お膝は立ててね。
で、症状は何があるの？自分で思い当たる病名は？」

子供に話かけるみたいに話してきたかと思えば、最後はしっかり医者のトーン。

「食欲あんまりなくて、胃部に軽い鈍痛がある感じ。
断続的だけどね、ここ数日そんな感じ。下痢や嘔吐はなし。
熱は微熱だった、さっき測ったけど。
ただの疲労からくる腹痛かなとは思うんだけど。熱あるのが気になる。」

雅「そうだね。熱あるってことは炎症反応上がってるかもね。
採血もしたほうが良いよ、念のため。
じゃ、お腹診ようかな。力抜いてリラックスしてね」

そういって、まず胃の辺りを優しく押さえてくる。
僕の顔を見ながら丁寧に診察をすすめていく雅。立派なドクターになったんだなー。

腹部全体の浅い触診を終えたあとに、今度は少し力を入れて深くお腹を押さえてくる。

右下腹部をぎゅうっと深く押さえられたときに
なんとなく感じたチクっとした痛み。

雅「ここ痛い？」

一瞬の僕の顔の表情を見逃さなかった雅は腕の良いドクターだ。
普段から患者さんの少しの変化も見逃さないんだろうな。