帰り道 ページ29
「え?」
シルクは歩きながら、私を見ずに言う。
シルク「寒いんでしょ、お前がして欲しいならぎゅってするけど」
なんでそんなにさらっと言えるの。
しかも何、ぎゅって、ぎゅって。
可愛い…けど、
言わなきゃダメなんですか
「い、いい。別にそこまで寒くないし」
シルク「あっそ、」
つまらなさそうな顔をしている辺り、私が赤面しながら「だ、抱き締めてっ」とか言うの期待してたんだろうな
と察しがついた。
意地を張ってみたはいいものの、寒い。
こんなときに限って、風は強くなってくるし!
思わず身体をぶるっと震わせると、隣から、ふ、と微かな笑い声が聞こえた。
「何、」
シルク「いや、震えるくらいなら意地張らなきゃいいのにと思って」
…バレてた
「わかったわかった、言えばいいんでしょ言えば!」
立ち止まって、少し上を見上げる。
シルクはいつも通りの大きな瞳で、私を映した。
「だ、抱き締めてっ…」
先程察しがついたはずのものと同じセリフになってしまったが今は置いておこう。
ていうかホントにもう、なんなの…////
シルク「御意」
そう言ってシルクは、鍛え上げられた身体で、私をくるむ。
不覚にも、あったかいと思ってしまった。
「これで満足ですか」
反論が返ってくると思いきや、むしろその逆だった。
シルク「ん。大満足。」
そういう事を言われると、調子が狂う。
耳元で聞こえる低い声は、私の胸を高鳴らせるのには充分だった。
シルク「ホントはさ、俺が抱き締めたかったんだよね」
「シルクが…?」
シルク「うん笑……そんなに嫌だった?」
「ううん!嫌じゃない!」
シルクの胸元で慌てて首を振ると、頭を優しく撫でられる。
「私もきっと、意地張ってたんだと思う」
シルク「あ、やっぱり?w」
「ほら、そういう事言うから!w」
頭の上で、あはは、という笑い声。
この明るい声を聞く度に、やっぱり好きだなあと、胸が締め付けられる。
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未人 - かなやんさん» これからもよろしくお願いいたします! (2017年3月29日 21時) (レス) id: 667be68691 (このIDを非表示/違反報告)
かなやん(プロフ) - はい!初のコメントです!いえいえ!! (2017年3月29日 21時) (レス) id: 8229cd8f04 (このIDを非表示/違反報告)
未人 - かなやんさん» 初のコメントですね!ありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです! (2017年3月29日 20時) (レス) id: 667be68691 (このIDを非表示/違反報告)
かなやん(プロフ) - 更新たのしみにしてます!応援してます! (2017年3月29日 19時) (レス) id: 8229cd8f04 (このIDを非表示/違反報告)
未人 - 凜ちゃん 【凜松チャンネル】さん» 泣かないで下さい〜!これからも応援してあげてくださいね! (2017年3月25日 10時) (レス) id: 667be68691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mijinnhomupe/
作成日時:2017年3月4日 17時