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パァァァンッッ＿＿＿＿＿＿
「っっ、！？」
私と男の間をヒュンと風が通り抜けた。
二人してゆっくりとその先へ目をやると壁に穴。
「ひっ、う、撃ちやがったっ」
辰哉さんは拳銃を持って此方に向けている。
「ヤクザ相手してんだからさ撃たれるような事すんなよ」
「う、うわわわっ」
「あっ…っ！？」
恐怖に叫んだ男は私の首に腕を回し辰哉さんとの間に私を置き、つまり盾にした。
「おーい兄ちゃーん、ほんとにそれでいいの？」
辰哉さんは向かってくる敵を足蹴りし、銃は此方に向けたまま少しずつ迫ってくる。
このまま撃たれたら私に当たる可能性だってあるのに、不思議と怖くなかった。
非現実的だから、自分の身体と心が一致せずにふわふわしているからなのか。
ううん、たぶん違う。
『A〜、もう少しそこでお利口り待ってろよ〜』
辰哉さんはきっと私を傷つけない。
助けてくれる。そう確信してるからだ。
「俺に喧嘩売ったことあの世で後悔させてやろっか？」
「う、くっ…」
辰哉さんの目が私を見た＿＿＿気がした。
喉が渇いてゴクリと唾を飲み込む。
カチャ＿＿＿＿
「くそったれっ！！……ぐあっ？！」
男が叫んだ瞬間、私は渾身の力を振り絞り男に掴まれてる腕から逃げる為に身を屈めた。
ずさっと床に転がった時に、また空気を冷やす音が響き同時に「うあっ！」と呻き声がする。
転がったまま男を見ると右足を押さえて蹲って暴れていて、床は赤く染まったいた。
「っ、」
「怖くなった？」
コツ、と目先に革靴。ゆっくり見上げると、サングラスを外す辰哉さんが私を見下ろしていた。
風に乗り香るのは辰哉さんの煙草の匂いと薬莢の匂い。
鼻の奥がツンとして、ぼやけだす視界の中に辰哉さんの微笑が映る。
「ううん、怖くない」
「そっか。よしよしよく頑張ったなあ」
屈んで私を起こしてくれた辰哉さんに涙で濡れた目元を拭われて、腕の縄を解いてもらった。
「ふっか、そろそろ行こうか」
「逃げ遅れても俺知らねぇぞ」
窓の外を見ながら二人が言えば、辰哉さんは私の脇に手を差し入れて抱き起こしてくれた。
そこで初めて足に力が入らない事に気が付いた。
ガクガクと小刻みに震え、辰哉さんのジャケットをギュッと握ってないとまた座り込みそうで、不安になって見上げると優しく微笑む辰哉さんが髪を撫でてくれた。
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ゆきんこ(プロフ) - スノ姫さん» コメントありがとうございます😌楽しんで頂けたようで嬉しいです😊 (2021年9月30日 6時) (
レス) id: e6ed62ce5f (このIDを非表示/違反報告)
スノ姫 - 素敵でいい話しですね。少し感動しました。凄く良かったですよ。 (2021年9月30日 6時) (レス) @page23 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あやかぽん。さん» あやかぽん。様！最後まで読んで下さり有難うございました（私が人工呼吸しに行きますね←）裏をかけて良かったのかな？（笑）元々極道な彼を目立たせたくて黒くんご登場頂いたので、黒担さんにはちょっとごめんさいしておきます！有難うございました☆ (2021年5月13日 22時) (レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
あやかぽん。(プロフ) - ぶはっ(無呼吸で読んでた人)やっと読めました。。いやぁふっかさん想像しやすかったです。。絶対めめちゃんとくっつくと思ってただけにいい意味で裏切られてさすがゆきんこ先生って感じでしたヽ(；▽；)ノ←誰？？とても楽しかったです！！ (2021年5月13日 17時) (レス) id: 2ac8db89d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ななさん» なな様、お返事遅くなってすみません！そう言ってもらえると、頑張って書いて良かったなって思います(o^^o)ありがとうございます!! (2021年5月10日 13時) (レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年5月5日 22時
