罪な人 ページ14
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「…い、いですよ？」
「…………」
それであなたを繋ぎ止められるなら。
耳から遠ざかった顔は、どんな表情をしているのか私からは見えない。
軽い女だって思われるのか。
不安が胸を締め付けると、タツさんの手が私の手首を掴んで近くにあったビルの隙間に押し込まれる。
「…あんな事言っちゃって、後悔するかもよ？」
背中にはひんやりと冷たい壁、正面には真剣な顔で私を見下ろすタツさん。
「後悔しません」
「ふぅん。じゃあ、試してみる？」
にやっ、と甘く笑みを浮かべる顔を見上げていると、後悔はしないけど危険信号はいっぱいなってる。
好きになっては駄目だと。
私の視線の先にはタツさんの唇があって、その唇に触れたいと思ってしまう。
ああ、もう終わってるな私。
「ンなに見んなよ、」
「っ、」
何も言わない私の顎を掴んで、タツさんの綺麗な顔がゆっくりと傾きつつ降ってくる。
ああ、どうしよう。
お互いの唇が触れ合うまで後数ミリって時だった。
ワー、ワー、と表通りが騒がしくなる。
「…………」
閉じかけていた薄目を開けてタツさんを見れば、その表通りをジッと見ている。
なんだろう？ なにか気になることがあるのかな？
ここは繁華街の外れだから騒がしいのは普通な気もするけど、と様子を黙って見ていればタツさんは私から身体を離した。
暖かったのは束の間で、今はもうタツさんの背中はビルの隙間から出てしまってる。
「悪ぃ。ちょっと用事ができたから行くわ」
「え、あのっ！？」
待ってと手を伸ばしたのは、これで終わりになってしまう不安からだ。
服を掴んだら、タツさんは振り返って私を見て苦笑いする。
「送ってやんなくて悪ぃね。気をつけて帰りな」
「……っ、」
チュッ、とおでこにキスをして彼は走り去って行く。
最後に私の髪を撫でて行くのも反則だ。
関わるなと言うのなら、どうしてそうサラッとかっこいい事をしてしまうの。
うざいとか、キライとか、ハッキリ拒絶してくれないと私はあなたを忘れられないよ。
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ゆきんこ(プロフ) - あきさん» あき様、こんばんは！コメントありがとうございます！極道VS刑事が楽しんでもらえてますか？ ダメよダメと思う程燃えるのともあるよなーっていう恋愛にしております(o^^o)あ、私も経験はないですよ（笑） (2021年5月6日 23時) (
レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - ゆきんこ様、こんばんは☆紫さんの極道と黒さんの警察官…もっと早くに読めばよかった…(>_<) ダメなのは頭ではわかってるのに、危険な香りがする男に惹かれるの…わかる気がする(//∇//) ☆あ、経験はないですよ(笑)♪ (2021年5月6日 21時) (レス) id: 4aac9fb6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - megさん» meg様、コメントありがとうございます!! そして作品を気に入ってもらえて嬉しいです(^^) ありがとうございます!! (2021年5月4日 20時) (レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
meg(プロフ) - やっぱりゆきんこさんの作品大好きです!! (2021年5月4日 16時) (レス) id: dd471eef77 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - reaさん» rea様、初めまして！コメント有難うございます。ドラマ化とかなんて嬉しいお言葉をっ!!実は裏設定？として夜10時枠頃のドラマを意識して書いてるところがあるので、そう言ってもらえてとても嬉しかったです!何度も読み返してもらえるように頑張ります(^^) (2021年5月4日 8時) (レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年4月19日 21時
