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店を出ると暗くなり始めていて、階段を上った先に見知らぬ男性。
その男性はお店に入る前には階段下に置いてあった看板を持って通路側に見えるように立てていた。
「あれ来てたんだ？」
「おー、お疲れさぁん。仕入れしてきたの？」
お洒落な服装の男性に近寄って行けば、その人は私に気付き笑みを浮かべている。
「新しいメニュー作りたくなってね。どうもこんばんは。……彼女？」
「あ、こんばんは！ か、かのっ」
「じゃねぇよ。新メニュー？ 舘さんの作ったもんはだいたいハマるからね。また食わせてよ」
そんな即答しなくても。
「もちろん。もう帰るの？」
「ああ、送ってくとこ」
「そう。是非また寄ってね」
「……はい」
きっとたぶんもう来ることはないのかな、とタツさんの横顔を見上げるとニコッと笑顔で頭を撫でられるだけ。
もうすぐお別れかと思うと、駅に向かう足取りも重くなってどんどんタツさんと距離が開く。
それに気付いて、振り返ったタツさんが首の後ろに手を置いて輝くネオンを見上げた。
「どうしてんなに懐いちゃったの？ 俺、かっいいから？ 笑」
「…分かんないです。でも、タツさんに話を聞いてもらっり優しくしてもらったり、子供と接する姿見てたら、なんかどうしようもなく一緒にいたいと思っちゃって」
「素直だねぇ。簡単に素性話しちゃったり、そんな事言っちゃうと悪い人に遊ばれちゃうよ？」
開いた距離が縮まって、タツさんが私の前にピタリと立った。
「……遊ばれる、の？」
そっか。もしかしたら浮気した彼もそうだったのかな。
遊びやすい相手だったのかな。
「……だぁから、そんな顔されっと弱いんだって俺は」
タツさんの手が私の後頭部に触れ、そっと引き寄せてられる。
胸に顔を預けてドクンドクンと胸の鼓動に耳をすませ思った。
「遊ばれてもいいです。タツさんが、気になってしかたなくて。このままお別れは嫌……」
自分でもバカだなって思うよ。
どこの誰かもハッキリと分からない人にこんな事言っちゃって。
それでも止まらないんだからしかたないじゃない。
「はああ。なあ、名前なんてーのよ？」
「A」
そう言えば名乗ってなかったっけ。
「A、ね。あんまりかあいい事言うなら、その唇塞ぐよ」
くすくすと甘い笑い声が鼓膜を擽った。
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ゆきんこ(プロフ) - あきさん» あき様、こんばんは！コメントありがとうございます！極道VS刑事が楽しんでもらえてますか？ ダメよダメと思う程燃えるのともあるよなーっていう恋愛にしております(o^^o)あ、私も経験はないですよ（笑） (2021年5月6日 23時) (
レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - ゆきんこ様、こんばんは☆紫さんの極道と黒さんの警察官…もっと早くに読めばよかった…(>_<) ダメなのは頭ではわかってるのに、危険な香りがする男に惹かれるの…わかる気がする(//∇//) ☆あ、経験はないですよ(笑)♪ (2021年5月6日 21時) (レス) id: 4aac9fb6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - megさん» meg様、コメントありがとうございます!! そして作品を気に入ってもらえて嬉しいです(^^) ありがとうございます!! (2021年5月4日 20時) (レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
meg(プロフ) - やっぱりゆきんこさんの作品大好きです!! (2021年5月4日 16時) (レス) id: dd471eef77 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - reaさん» rea様、初めまして！コメント有難うございます。ドラマ化とかなんて嬉しいお言葉をっ!!実は裏設定？として夜10時枠頃のドラマを意識して書いてるところがあるので、そう言ってもらえてとても嬉しかったです!何度も読み返してもらえるように頑張ります(^^) (2021年5月4日 8時) (レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年4月19日 21時
