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119話:ばっちい ページ23

「え? なあに、ジュンコ。……そう、そっか」



再びジュンコさんにとろけるような笑顔を見せた少年は、私に向き直って手を差し伸べてきた。



「優しくしてくれたから大目に見てやれ、とジュンコが言っているので助けてあげます。でも、もしこの子に何かしたら容赦しませんから」

「ジュ、ジュンコ姐さん……! ありがとうございます! 大丈夫、私が彼女に何かする前にガブッとやられてジ・エンドですから」



ジュンコさんの口添えにより、私は殺されずに済むらしい。ありがたすぎて涙が出てくる。



「ジュンコは天女様みたいなばっちい物を噛んだりはしません」



ジュンコさんの頭を指で優しく撫でつつ、失礼な、と言わんばかりの目で少年が睨みつけてくる。

やめてくれ、冗談抜きで泣いてしまう。



「あの、私天女じゃないのでできれば名前で呼んでいただけると……」

「天女様のお名前知らないので無理です」

「AAです……」



全くこちらを見ないまま適当にあしらわれているのがよくわかる返事の簡素ぶりに、私はがっくりと項垂れた。

なんでこの学園の生徒、特に下級生は私への対応がここまで適当なのだろうか。

天女様だと思われている、ということを差し置いてもいい加減すぎると思う。



「くの一長屋まで案内したら、その後は大丈夫ですか? まぁその先に僕は行けないので、自力でなんとかしていただくしかないんですけど──って、なんで泣いてるんですか?」

「き、気にしないで。ジュンコさんが優しすぎてちょっとウルッときただけだから。さぁ、行こうか!」



方角を確認していた少年が、後ろでズビッと鼻を啜っている私を見て戸惑いの声を上げる。

というかちょっと引いてる。


そのことに少し心を抉られつつも、私は先に進むべく一歩を踏み出した。





「……天女様、こっちです」



呆れたように少年が指差す方向は、やっぱり私が向いているのとは逆だった。



……なんでだろうね? トリップした時に方向音痴属性でも付けられたのかなぁ。

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真白(プロフ) - わそ姉大好きリスナーさん» ありがとうございます!ホントですか?それは光栄です。天女様系には素敵な作品も多くあるので、私の作品をきっかけに他の方のもいけるようになってくださったら嬉しいです(*´∀`*) (2023年1月29日 18時) (レス) id: f022b78e83 (このIDを非表示/違反報告)
わそ姉大好きリスナー - 面白かったです!自分は天女様系が苦手でしたけど、真白様のこの天女様系はなんかいけました!((^^ω)更新ファイト!!!!です(^^ω) (2023年1月25日 10時) (レス) @page23 id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
真白(プロフ) - 千颯さん» わあああ!ありがたいお言葉ありがとうございます!!!私の更新が千颯さんの生き甲斐になっていたですって……?これからも気合いを入れて更新していきますので、楽しみに待っていてくださいませ! (2022年12月18日 18時) (レス) id: f022b78e83 (このIDを非表示/違反報告)
千颯 - 毎週投稿を楽しみに生きてます( これからも作者さんのペースで頑張ってください!応援してます! (2022年12月11日 11時) (レス) @page18 id: ecd2d0aa76 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - れいらさん» この更新スピードは、れいらさんを始めとする読者の皆さんのおかげなんですよ!ご期待にお応えできるよう、これからも頑張りますね♪ (2022年10月22日 20時) (レス) id: f022b78e83 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真白 | 作成日時:2022年10月22日 13時

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