87話:やめとけ、マジで ページ41
「そういえば、Aちゃんってもう学級委員長委員会の書類は渡し終わったの？」
私を見つめてしばらく何かを考えていた尾浜さんが、思い出したようにそう言った。
「いえ、まだですけど」
学級委員長委員会は、作法委員会の次に行こうと思っていた。
部屋の位置的に、その方が効率が良さそうだし。
なんで、と首を傾げる私の横で、不破さんがポンと手を打った。
「あ、そっか。三郎今いないんだっけ」
「そ、学園長先生のおつかいで街に出てるの」
二人の会話に、私は目をまたたく。
「三郎さん、って学級委員長委員会の委員長代理の方ですよね。いらっしゃらないんですか？」
「委員長代理っていうか、取りまとめ役ね。夜には帰って来ると思うけど、代わりに俺が預かっておこうか？」
どうする、と手を差し出され、私は咄嗟に不破さんを見た。
「勘右衛門も学級委員長だし、三郎とは仲がいいし、待ってたら遅くなっちゃうし、Aさんが三郎に会うのは危ないかもしれないから、渡しちゃっていいと思うよ」
「……危ないん、ですか？」
待て、何故そこで深く頷く尾浜勘右衛門。
不破さんが危ないと言い、尾浜さんがそれに同調する鉢屋三郎さんって一体……。
「ちゃんと俺から渡しておくからさ。悪いことは言わない。任せた方がいい」
先ほどまでの態度はどこへ行った、というくらい真剣な顔をした尾浜さんに、私は思わず頷いてしまう。
「わかりました。では、お願いします。……あの、鉢屋さんってどんな方なんですか？」
おずおずと聞いた私に、不破さんと尾浜さんが顔を見合わせた。
「勘違いしないでね、悪い奴ではないんだよ。ただ単に、天女様のことを人一倍毛嫌いしているというか……」
「ただでさえ新しい天女様が来て神経質になっていたからさ。Aちゃんと雷蔵が一緒に行動していると知ったらどうなるか」
「えっ……」
尾浜さんの言葉に、私は思わず不破さんから一歩離れる。
「あはは、今はそんなに警戒しなくて大丈夫だよ。夜になったら気をつけてね」
じゃ、と尾浜さんが手を振りながら廊下の角へ消えていった。
後に残された不破さんが私を見下ろして苦笑いをする。
「僕達もそろそろ行こうか」
「はい」
また二人で作法室へ向かって進み始める。
不破さんの口調はタメ口になったし、私達の心の距離は確かに少し縮まったと思う。
けれど、並んで歩く距離は明らかに開いていた。
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わそ姉大好きリスナー - Ahoy 学校行きたくねェェェェェェ 続編に出航〜♪ (2023年1月25日 9時) (
レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 小桜さん» コメントありがとうございます！忍たまって鬼滅並みに難読苗字多いですよね笑。尼子先生の出身地の尼崎の地名から取っているそうなのですけれど、私も最初は漢字と読みがなかなか一致しなくて困りました。食満は初見じゃ絶対に読めないと断言できますよね！ (2022年8月12日 19時) (レス) id: 23eb6548af (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - マジで夢主ちゃんに同感です。食満って名字、最初は「しょくまん」って読んでしまいますよね。私もアニメで聞くまでしょくまんだと思ってました！ (2022年8月12日 19時) (レス) @page19 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真白 | 作成日時：2022年4月28日 21時
