83話:腹の探り合い ページ37
「……え？」
私が尋ねた途端、彼は目をまん丸にして戸惑ったように首を傾げる。
「え？」
そんなに驚かれるようなことを言っただろうか。
いやいや、私ただ名前聞いただけだし。
「………………五年ろ組、図書委員の不破雷蔵です」
十分すぎるほどの間があって、不破さんはようやく名前を教えてくれた。
「事務のAAです。よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
ぺこぺこと互いに頭を下げ合うけれど、何故これほど怪訝な顔をされたのかわからない。
一人で首を捻っていると、不破さんは不思議そうに一度目をまたたかせた後、ポンと一つ手を打った。
「すみません、考え込んでしまって。てっきり僕のことをご存じだと思っていたものですから」
そう言われてようやく思い出した。
そういえば天女様達は忍たま強火オタクだった。
今まで名乗ってもいない相手が自分のことを知り尽くしていたのなら、次に同じ条件でやってきた人間も当然自分を知っていると思うだろう。
……でも私、天女サマじゃないからさ。
心の中で溜息を吐きつつ、私は「お気になさらないでください」と微笑みかける。
「それより、本当によろしいんですか？」
「……何がですか？」
「私のことを、案内してくださると。ご迷惑をおかけしてしまうんじゃ……」
私はおっとりと片手を頬に当てて小さく首を傾げると、そっと左斜め下を見つめた。
これで不破さんには私が人に迷惑をかけることを気にする
そう思ってゆっくりと顔を上げたのに、何を考えているのかわからない、無表情な不破さんと目が合った。
……失敗した、かな？
一応警戒しているだけなのだけれど、仮にも忍者のたまごを欺こうとするなんて無謀すぎただろうか。
でも、保険は少しでも多くかけておいた方がいいと思うのだ。
「いいえ、大丈夫ですよ」
「本当ですか？ ありがとうございます」
ほわっとした笑顔で言った不破さんに、私も笑顔で応じる。
完全に警戒されたようだった。
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わそ姉大好きリスナー - Ahoy 学校行きたくねェェェェェェ 続編に出航〜♪ (2023年1月25日 9時) (
レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 小桜さん» コメントありがとうございます！忍たまって鬼滅並みに難読苗字多いですよね笑。尼子先生の出身地の尼崎の地名から取っているそうなのですけれど、私も最初は漢字と読みがなかなか一致しなくて困りました。食満は初見じゃ絶対に読めないと断言できますよね！ (2022年8月12日 19時) (レス) id: 23eb6548af (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - マジで夢主ちゃんに同感です。食満って名字、最初は「しょくまん」って読んでしまいますよね。私もアニメで聞くまでしょくまんだと思ってました！ (2022年8月12日 19時) (レス) @page19 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真白 | 作成日時：2022年4月28日 21時
