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72話:出会い頭に ページ26

秀作君メモによると、会計委員長のお名前は潮江文次郎と読むらしい。

文次郎さんといえば、この世界に来て早々の私の首に刃物を突きつけた、あの強面の方ではないだろうか。



……無理無理無理。嫌だよ殺されそうだもん。後回し後回しっと。



図書委員長は中在家長次さん。

そう、本が濡れてしまって泣いていた私に、なんとかしてやるよ(意訳)と言ってくれた素敵紳士である。



……これは図書委員会一択だね! 別に本が読みたいとか、初めて入る図書室が我慢できなくてとかいうわけじゃないもん。



むふふ、と笑いながら、私は廊下の角を勢いよく曲がる。



「わっ!」



小さな衝撃と共に、声変わり前の少年の悲鳴が聞こえた。



……え?



バランスを崩して尻餅をついた私の前で、青色の制服を身にまとった男の子が同じ体勢で目をまたたいている。



「ご、ごめんなさい! 前をよく見ていなくて……。怪我はないですか?」



私の声にハッとしたように目を見開いた少年は、懐から刃物を取り出してこちらに飛びかかってきた。


当然のことながら、私が慌てて立ち上がるのよりも彼の動きの方がはるかに速く、ドンッと床に押し倒されてしまう。



「医務室で、何してたんですか」

「え?」



床に押さえつけられた右手がキリキリと痛む。

暴れようとしてみるも、首に刃物が突きつけられているせいで上手く動けない。



……これが、十一歳に出せる力なの?



「医務室で何したんですか。……伊作先輩に今度は何をしたんですか!」



彼の悲痛な叫び声にハッとさせられる。

結局、この子にとっても私は天女なのだ。

危険な存在で、自分達から先輩を奪う酷い存在なのだ。



「えっと、貴方は保健委員ですか?」

「天女様ならご存じでしょう」



……全く存じ上げません。



この世界のことを私はほぼ知らない。

そんな風に言われても困る。



「ごめんなさい、本当に知らないの。私はAAです。お名前をお伺いしてもいいですか?」

「……二年い組、川西左近。保健委員」



ためらうように視線を左右に彷徨わせた後、ものすごく嫌そうに川西君がそう言った。



「川西君だね。私のことはAって呼んで。よろしくね」

「……よろしくお願いします」



全くよろしくしたくなさそうである。

もう少し取り繕えよ、と私が苦笑していると、私の右手にかかる力が若干緩んだ。

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わそ姉大好きリスナー - Ahoy 学校行きたくねェェェェェェ 続編に出航〜♪ (2023年1月25日 9時) (レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 小桜さん» コメントありがとうございます!忍たまって鬼滅並みに難読苗字多いですよね笑。尼子先生の出身地の尼崎の地名から取っているそうなのですけれど、私も最初は漢字と読みがなかなか一致しなくて困りました。食満は初見じゃ絶対に読めないと断言できますよね! (2022年8月12日 19時) (レス) id: 23eb6548af (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - マジで夢主ちゃんに同感です。食満って名字、最初は「しょくまん」って読んでしまいますよね。私もアニメで聞くまでしょくまんだと思ってました! (2022年8月12日 19時) (レス) @page19 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真白 | 作成日時:2022年4月28日 21時

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