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95話:ここに来て ページ49

「Aちゃん、ある程度煮込めたら火を止めてちょうだい。後は皆が来てからやるから」

「わかりました」



今日の夕飯は唐揚げ定食と豆腐定食だ。

豆腐定食ってなんだ、と思ったら、メインが麻婆豆腐で味噌汁の具も木綿豆腐、横に添えられているのは大豆の昆布煮(注:大豆は豆腐の原材料である)と、文字通り豆腐づくしの定食だった。

おばちゃん曰くご飯を豆腐飯にするか迷ったけれど、唐揚げには白米の方が合うだろう、とやめておいたのだそうだ。

正直豆腐飯がどんなものか気になるので、近いうちに作ってほしい。


私が作っているのは豆腐の味噌汁だ。

昼は具材を切ったり盛り付けたりと料理のところどころを手伝うだけだったのが、簡単なものではあるけれど、今回は丸々一品を任せてくれたのだ。

それがすごく嬉しい。



「Aちゃん、終わったらこっちにおいで。お茶にしましょう」

「はーい」



私が火搔きをカチャカチャやっている間に食事スペースに向かっていたおばちゃんが、にこりと笑って声をかけてくれる。


パタパタと駆け寄っておばちゃんの隣に座ると、コトンと湯呑みを置いてくれた。



「ありがとうございます」

「どういたしまして。一日過ごしてみて、ここでの生活はどう? 大変じゃない?」



おばちゃんの言葉に、お茶をズッと啜って私は考える。

そういえば、私がここに来てからまだ一日しか経っていない。

今日だけで色々とありすぎたせいで、もう四日はここにいる気分だった。



「大変じゃないって言ったら嘘になります。天女様って言われてもそんなの知らないですし、困ることもありましたから」



ここに来てから向けられた、明らかな敵意の視線。

こちらを傷つけようという意思のある鋭い刃物。

怖かった。

今でもちょっと怖い。



「でも、シナ先生やおばちゃん、秀作君、吉野先生、雷蔵君、それから仙蔵さん。優しくしてくれる人、助けてくれる人がいたから、大丈夫でした」



それに、ここには本がある。

今はまだ読めないけれど、もう少ししたら読めるようになるはずだ。

そう思うだけで、私はまだ頑張れる。


微笑んでみせた私に、おばちゃんはお茶をひと口飲んで感慨深そうに息を吐いた。

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わそ姉大好きリスナー - Ahoy 学校行きたくねェェェェェェ 続編に出航〜♪ (2023年1月25日 9時) (レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 小桜さん» コメントありがとうございます!忍たまって鬼滅並みに難読苗字多いですよね笑。尼子先生の出身地の尼崎の地名から取っているそうなのですけれど、私も最初は漢字と読みがなかなか一致しなくて困りました。食満は初見じゃ絶対に読めないと断言できますよね! (2022年8月12日 19時) (レス) id: 23eb6548af (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - マジで夢主ちゃんに同感です。食満って名字、最初は「しょくまん」って読んでしまいますよね。私もアニメで聞くまでしょくまんだと思ってました! (2022年8月12日 19時) (レス) @page19 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真白 | 作成日時:2022年4月28日 21時

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