5話:掌の上で転がされています ページ7
「文次郎、余計なことを言うな」
サラスト男はチッと舌打ちしてそう言うと、私に向かってキラキラした笑顔を見せた。
「天女様、文次郎のことは気になさらないでください。これは少し顔が怖いだけで、実害はほとんどありませんから」
……サラストお兄さん、だいぶ失礼なこと言ってるけど、文次郎さんよりかなり年下だよね？ 上下関係とか気にしなくていいのかな。
そうなんですか、と私は文次郎さんを見る。
「仙蔵、そりゃないだろ」
誘拐犯達にはこれといって上下関係はないらしい。
文次郎さんは情け無い声でそう言った後、私が見ていることに気づいて顔を背けた。
サラスト男の名前が仙蔵さんであることがわかったところで、その仙蔵さんが再び口を開く。
「で、天女様。どうなさいますか？」
「どうって……」
この怪しすぎる男達について行くか、これから暗くなっていく知らない森で一夜を明かすか。
究極の選択である。
「ここから一番近い街までもかなり歩かなければなりません。そもそも貴女の足では、山の麓に降りるだけで夜になるでしょう。そんな状況で、生きていけますか？」
仙蔵さんが一つ一つ冷静に私の現状を突きつけてくる。
確かに、私はこの人達について行かなければ明日の朝生きていられるかもわからない。
ならば、この人達に賭けてみてもいいかもしれない。
ついて行きます、と私が言いかけた時、仙蔵さんがにこりと笑ってこちらを見た。
「何より、学園の図書室はこの近辺で最大の蔵書数を誇っています。長次達図書委員により丁寧に保管されており……」
「行きます！ 行かせてください！」
目を輝かせ、ガバッと食い気味にそう言った私に、仙蔵さんはしてやったりと言わんばかりに笑った。
「決定ですね」
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魚月(プロフ) - 小桜さん» わかります！めちゃくちゃあるあるですね！ありがとうございます。参考にさせていただきます！ (2022年3月29日 20時) (
レス) id: cd436a6c71 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 魚月さん» そうなんです！ 私も本大好きなんですよ〜。私の場合は、途中まで読んだ本を栞を挟んだりするんじゃなくて、開いたまま伏せて置くのが許せません！ 型が残ってしまうので。……これは結構あるあるなんじゃないかな〜って思ってます！ (2022年3月28日 22時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
魚月(プロフ) - （続き）夢主ちゃんを究極の本好きにするため、本好きの友人達から「本好きあるある」を募って書いています。私はこうだな、というのがありましたら、ぜひ教えてくださいね！ (2022年3月28日 19時) (レス) id: cd436a6c71 (このIDを非表示/違反報告)
魚月(プロフ) - 小桜さん» コメントありがとうございます！ 夢主ちゃんと気が合いそうとは、小桜さんもなかなかの本好きですね。……実は作者もです笑。 (2022年3月28日 19時) (レス) id: cd436a6c71 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - ヤバい……夢主ちゃんの言うことめっちゃ分かる……！！ この子とは気が合いそうです！ とても面白く、続きが楽しみです。更新頑張って下さい！ (2022年3月28日 7時) (レス) @page19 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真白 | 作成日時：2022年3月15日 9時
