最終話 -貴方目線- ページ37
「ここまでなら、そこまで臭くは無いでござる」
侍がガスマスクを取った。
うわ、結構キリッとした【まさに日本男児』って感じの顔。
「そうデスね」
ムキムキは……うん、フツメン。
まあ、そんなことはいまはどうでもいいけど。
「ぷはーっ、やっと普通の空気が吸える……」
私はガスマスクを外した。
外の新鮮な空気が鼻から肺へ、肺から口へ通って行く時に、懐かしさを感じた。
「……さて私達は、皆とはここでお別れのようね」
オラフなんとか先生が言った。
……え、お別れ?
それじゃあ、エイミーちゃんも?!
「……エマ、行くよ」
当のエイミーちゃんは、呼び止める私達の声を無視して、妹さんを連れて、オラフなんとか先生達がいる所へと歩いて行く。
でも、その表情は悲しそうだ。
「それじゃあ、私達は役目を終えたから、元の世界に帰るわ。
マグネシウム、あれお願い」
オラフなんとか先生ががそう言うと、マグネシウムと呼ばれた侍が、何だろう、小さな機械のボタンを押した。
すると、彼らの周りから、光のような何かが出てくる。
待って、お別れと言ってももっとまともなのがあるでしょ!
これじゃ納得いかない!!
「エイミーちゃん!!
……せめて、私達のこと、覚えていてよね!!」
……その言葉を聞いたエイミーちゃんは、笑顔で頷いた。
そして光はどんどん明るくなり、眩しいと思った時には、もう、誰もいなかった。
私達は、しばらく呆然としていた。
「これ、夢だよね?
きっと、そうだよね。
帰ろう、皆。もう私疲れたよ……」
イブが、疲れていてもどこか満足感があるような表情で言い、女子寮へと歩いて行った。
そして、彼女に続いて、皆が寮へと歩いて行く。
これ、本当に夢なのかな。
わからない。
でも私がわかったのは、ただ、もうこれで全てが終わったっていうこと。
また冬休みの後に、いつもの日常に戻れること。
エイミーが私に正体を話した本当の理由や、あいつらの正体は結局最後までわからなかったけど。
でも、これでよかったのかもしれない。
明日から、平凡で非凡な日常に戻れるなら……
ー完ー
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レイ@鱈領(プロフ) - 月夜の猫さん» コメントありがとうございます。一年以上も前の作品なのですが、そう言っていただけて幸いです。キャラを好きになってもらえてこちらも嬉しい限りです^ ^ (2016年4月7日 18時) (レス) id: 1adfee6976 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の猫(プロフ) - 面白かったです!ここまで読みごたえのある小説は初めてです!もう何回読み返したことか…。個人的にはモニカちゃんが好きです! (2016年4月7日 0時) (レス) id: 4e53d42ce4 (このIDを非表示/違反報告)
レイ@北欧領(プロフ) - 彩椿さん» ありがとうございます!時間があれば語り合いましょう! (2015年7月3日 19時) (レス) id: 0eb7ce92ee (このIDを非表示/違反報告)
彩椿 - 凄い面白かったです!今度某お国擬人漫画について語り合いませんか? (2015年7月3日 19時) (レス) id: efaac7c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
レイ@北欧領(プロフ) - うどん教信者さん» ありがとうございます。改めて読み返すとミスが目立ち、恥ずかしい気持ちになりますが、完成度が高いと評価を頂き光栄です。上手な方の小説などを読んで修行した後、リメイクに挑戦します。コメントありがとうございました。 (2015年6月26日 21時) (レス) id: 0eb7ce92ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Reinohomupe/
作成日時:2014年12月22日 13時